究極の初心者向け「2マス将棋」発売 愛好家考案 これは嘘ニュースです
岸棋志さん考案の「2マス将棋」
考案したのは、天童市在住の岸棋志さん。自身もアマチュア四段の腕前だ。初心者向け将棋には、これまで駒をライオンやゾウなどの動物に置き換えて親しみを持たせた「どうぶつしょうぎ」や、3×3の盤を使った「9マス将棋」があった。しかし、これらの将棋でも「複雑で覚えられない」「勝てない」という声が、岸さんの元に寄せられていたという。
ルールの複雑さによる将棋離れを危惧した岸さんは2月、マスと駒を理論上最小限まで減らした「2マス将棋」を考案。駒を動かす選択肢も1つしかないため、どんな初心者でも悩まず指すことができるという。
初心者向けだが、素材は妥協しなかった。盤にはタイトル戦でも使用される地元天童市の榧(かや)を使用。駒も同じく天童市の柘植(つげ)を使った。価格は9万8千円(税込み)と高価だが、駒を盤に打ち付けるときにパシッと響く駒音にこだわった。「将棋の醍醐味の99%は駒音。勝ち負けは二の次です」と、岸さん。
将棋界はここ数年、藤井聡太二冠の快進撃をきっかけとした「藤井ブーム」に沸く。羽生善治九段が七冠独占を達成した「羽生ブーム」以来となる関心の高まりに、「将棋人口の裾野を広げるチャンスは今しかない。ハードルは下げられるだけ下げた方がいい」と、ねらいを語る。
発売後、2マス将棋は大きな反響を呼んでいる。「『王将を取れば勝ち』だと初めて知った」「王将と玉将があることに気付いた」など、購入者の評判も上々だ。一方で、岸さんの元には「何をしていいのか分からない」「難しくて駒が並べられなかった」などの不満や苦情も寄せられるという。
しかし、マスも駒も最小限まで減らしているため、これ以上簡単な将棋を作るのは不可能だ。岸さんは「詰みました」と頭を抱える。