Kyoko Shimbun 2021.03.30 News

桜、今月末で活動終了 コロナ再拡大に自責の念 これは嘘ニュースです

コロナ禍でも多くの人が桜の見物に訪れた
 満開を迎えている桜さんが今月31日で活動を終了することが30日までにわかった。今月中に全て落花させ、4月1日から葉桜に復帰する見通し。新型コロナウイルスの新規感染者数が再拡大の傾向を見せていることに責任を感じて決断したという。人気絶頂期での突然の活動終了は驚きと困惑を招きそうだ。

 知人の躑躅さんが明らかにした。

 22日に緊急事態宣言が全ての地域で解除されて以降、全国の行楽地は多くの人出で賑わっている。特に解除後初の週末となった27日は、東京の上野公園など桜の名所が大勢の花見客で混雑。各自治体では人の接触を減らすため、宴会ができないように桜の周りにネットを張って封鎖するなど対応に追われた。

 しかし一旦は収束傾向をみせた新規感染者数は、桜の開花が始まった今月中旬以降、大都市圏を中心に再び増加傾向に転じている。インターネット上では「花見が口実の無駄な外出が増えたせいだ」「桜が咲かなければ今ごろ収束していたかもしれない」など桜さんへの批判や責任を問う声も多く、躑躅さんによると「自分のせいで人が密集する状況を作ってしまい大変申し訳ない」と気に病んでいる様子だったという。

 29日夜、「来月1日から葉桜に戻る」と関係者に連絡があった。来年の活動についても「コロナの状況を見て考えたい」と話しているという。「潔く散る自己犠牲の精神は非常に桜さんらしいが、どこかおかしいのではないかという気持ちも正直ある」と躑躅さんは話す。

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 カメラマンの乾耕太郎は、幼馴染の美人占い師・深沢桜子に淡い恋心を抱いている。しかし、その父・七ノ瀬天山を死に追いやったという自責の念から、本心を明かせずにいるのだった。「占いと事件」を縦軸に、「幼馴染みの恋の行方」を横軸に描いたミステリー連作集。

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