Kyoko Shimbun 2011.04.07 News

「朝起きられぬ」 ラジオ体操、昼12時に移動 これは嘘ニュースです

 夏の風物詩「朝の巡回ラジオ体操」が、今夏から昼12時に移動して放送されることが本紙の調べで分かった。放送が開始された1951年と比べて生活リズムが夜更かし型になったため、朝起きられず、参加できない児童が増えたことが主な要因だが、一部保護者から「早起きの強制は児童虐待だ」との抗議があったとも言われる。

 ラジオ体操を担当する放送関係者が明らかにした。「朝の巡回ラジオ体操」は、夏休みの期間中全国を巡りながら、朝6時30分から40分まで、生放送でラジオ体操第1と第2を中継。早朝から小学生が体操する光景は、夏の風物詩として長らく親しまれてきた。

 だが、最近では塾、深夜番組、24時間営業のコンビニエンスストアなどによって、家庭の生活リズムが夜更かし型にずれ込み、朝6時に起きられる子供の数が減少。苦肉の策で、参加賞にお菓子を用意する自治体もあるが、「そこは現金だろ、空気読め」と不満を漏らす児童も多く、状況の改善にいたっていないのが実情だ。

 また、「深夜2時に寝付いた子供をたった4時間しか寝かせずに、体操への参加を強制するのは児童虐待にあたる」など、保護者からのクレームも年々増加しているため、スタッフで協議した結果、今年から十分な睡眠時間を取れる昼12時からの放送に切り替えることを決めた。

 放送時間の移動に伴い、今後ラジオ第1では朝6時30分から、教育テレビで放送されている「手話ニュース845」を手話のみで再放送する予定だ。

新しいアプリで記事を読む

App Storeからダウンロード Google Playからダウンロード

虚構新聞友の会

本紙友の会へ入会すると、会員専用掲示板に書き込みができます。

おすすめリンク

<BOOK>ラジオ体操の誕生

 ラジオ体操は1920年代に簡易保険事業の一環として衛生環境向上をめざして創始されたが、同時に、日本が欧米に伍する国力をつけるために、国民の身体を西欧的基準にしたがって壮健にするという役割をも背負わされていた。急速な西欧化のなか、前近代の日本のポリクロニックな時間軸は一掃され、さまざまな分野で西欧的モノクロニックな時間軸が導入される。毎朝定時に規則正しくおこなわれるラジオ体操は、そうした政策の一翼を担っていたのである。

社主ピックアップ

文化

人気記事ランキング

今月の一冊

「今月の一冊」バックナンバー

虚構新聞社のRSS/SNS

虚構新聞のウェブサービス

虚構新聞社の本

注目コンテンツ