出版不況を追い風に 「月刊休刊」今月創刊 これは嘘ニュースです
「月刊休刊」創刊最終号
総合休刊情報誌「月刊休刊」は、休刊が決まった雑誌の歴史を紹介する記事や、休刊に至った「敗戦の弁」を編集長に尋ねるインタビューなど、休刊の魅力を発信する。
編集長にはベテランのフリー編集者・羽田一寄さんが就任する。数々の出版社で辣腕をふるい、通算999誌を休刊・廃刊に追いやった、いわば「休刊のスペシャリスト」だ。
「雑誌が休刊する背景には、部数低迷だけでなく、執筆者のずさんな記事や編集部のずさんな企画による強制退場などさまざまな事情がある。表舞台から去っていく雑誌にスポットライトを当てていきたい」と、羽田さんは語る。
相次ぐ休刊を反映し、創刊号は624ページ、厚さ2.2センチと文芸誌並みになった。出版不況の逆風が強まれば強まるほど誌面が充実する皮肉な仕組みだが、創刊号での休刊を出版社から言い渡されたという。
「普段愛読していなくても創刊号と最終号だけは記念として買う読者が多い。創刊号と最終号が合体すれば売上倍増が見込める、という経営判断だそうです」
羽田さんにとって「月刊休刊」は通算1000誌休刊の節目となる。
「惜しむ声はあげるが、金は出さない。ファンとは薄情なものです」