枯れた魅力「おじいさん構文」にZ世代が注目 これは嘘ニュースです
清さん(仮名)が送ったおじいさん構文のメッセージ
「貴方様にはお変はりなくお過ごしでせうか。私めは先日、友人と共に京都へ旅行してまゐりました。京都といへば、日本の古き良き文化が色濃く残ってゐる所でございます。神社仏閣や庭園を拝見したり、茶道や花道を体験したりして、心豊かになりました。昔の人々はどんな思ひで暮らしてゐたのでせうか。今では忘れられてしまつた風習や言葉があることでせう。歴史を学ぶことは大切でござりますね。さて、この辺で失礼いたしますが、またお話しませう。」
大阪府内の高校に通う清さん(仮名)が友人に送ったメッセージだ。「自分がおじいちゃんになったみたいで新鮮」。言葉遣いは少し不自然だが、楽しそうに構文を使いこなす。
おじいさん構文が若者の間で流行し始めたのは昨年秋ごろ。スマートフォンを買ったばかりの祖父から送られてきたという古風なメッセージを、ある高校生がヒューマンビートボックスに合わせてSNS上で紹介したことがきっかけと言われる。
おじいさん構文の名付け親で『3日でマスターおじいさん構文』の著者・原口劣さんによると、おじいさん構文には、(1)絵文字やカタカナを多用しない(2)自分語りの礼儀正しい長文である(3)教訓じみた内容で話をまとめる、といった特徴があるという。
人気の理由について、原口さんは「丁寧な内容と押しつけがましくない適度な距離感が、簡潔にやり取りを済ませてきた若者の心に響いたのではないか」と分析する。
おじいさん構文への関心が高まる一方、絵文字やカタカナを多用した中高年の長文メッセージ「おじさん構文」は、「友達口調の馴れ馴れしさが気持ち悪い」として、しばしばインターネット上で非難や嘲笑の的にされる。
「若者のように簡素な文面も書けず、また高齢者ほど人生経験も豊富でなく、含蓄のある話もできないため、フレンドリーさだけを前面に押し出そうとして失敗している」と、原口さんは指摘する。
今の中高年が高齢者になるころ、Z世代は中高年へと歩を進める。おじさん構文を「キモい」と評する世代が、今度は次世代の若者から「キモい」と評される番がやってくる。この負の連鎖を断ち切ることはできるのだろうか。当事者の高校生・清さんにLINEで尋ねたところ、返答があった。
「おはようございます。私めは未だ高校生でございますので、大それた事は言へませんが、私めのような若輩から高齢者まで全ての世代がおじいさん構文でやり取りしてはいかがでせうか。昔から礼儀作法は社会生活の潤滑油、親しき仲にも礼儀ありと言ったものです。さて、この辺で失礼いたしますが、どうかご自愛下さいませ。」
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