音楽家の肖像画、今はマイルド 「怖くない音楽室」広がる これは嘘ニュースです
肖像画を張り替えた本間腕小の音楽室
「令和の音楽室」は児童に親しみやすい教室に変わっていた。大阪市本間腕小学校の音楽室の壁を飾る音楽家の肖像画は、全国各地で見かけるおなじみのイラストだ。昨年の貼り替え以来、児童の評判も良く「ヨドバシカメラみたい」と、子どもたちは笑顔で眺める。
楽器メーカーのハヤマが全国の小中学生3千人を対象に行った音楽の授業に関するアンケート調査では「音楽が嫌いな理由」の2位に「音楽室が怖い」が入った。
「人体標本が動き出す理科室」と並び、音楽室は古くから「学校の怪談」の定番の舞台となってきた。一時は下火になったが、近年は動画サイトを通じて再び拡散。CG技術の発展で、本物のように見える偽動画が容易に作れるようになったことが、子どもの恐怖心を一層高めているという。
「音楽嫌いを減らすには、音楽室を楽しい場所にするしかないと思いました」と、本間腕小で音楽を教える毛英和教諭は話す。毛教諭はネット上に流布している音楽室の怪談を調べ、しらみつぶしに改善を続けた。肖像画の貼り替えもその一環だ。
「誰もいないはずの放課後の音楽室からピアノの音が聞こえる」という噂に対処するため、今年、自動演奏機能付きピアノを導入。同校では十数年以上前からピアノが勝手に鳴り出す現象が続いていたが、「自動演奏機能のトラブル」として児童を納得させた。
本間腕小の音楽室は、休み時間に児童が詰めかけるほどの盛況ぶり。同校の成功を受けて、同様の試みが全国に広がっているという。
一方、このような改善策に対して厳しい見方もある。ハヤマが行った「音楽が嫌いな理由」調査で最も多く挙がったのは「クラスメイトの前で1人で歌わされる実技テスト」。得票数は2位「音楽室が怖い」の45倍と圧倒的だ。
音楽教育に詳しい作曲家の坂本義太夫さんは「衆人環視での独唱は音楽嫌いの児童にトラウマを植え付ける結果しか生まない。読書感想文とあわせて明日にでも廃止すべきだ」と提案する。