『諾威にある木叢』『輪』… 古語で名作読む新科目「現代古典」案 これは嘘ニュースです
現代文を古語で読む新科目「現代古典」
現代古典は、現代仮名遣いで書かれた文学作品を古語訳し、その読解を目的とする新しい国語科目。教科書には出版から50年以内のベストセラー小説やエッセイ、若い世代に読まれているライトノベルや漫画のノベライズ作品の収録を検討している。
25日の特別部会では、収録する作品について意見が交わされた。委員が古語で試訳した村上春樹さんの小説『諾威(のるうえい)にある木叢(こむら)』では、冒頭の「僕は三十七歳で、そのときボーイング747のシートに座っていた。」を「我としのよはひ三十七にてすなはち、ぼおいんぐ七四七のむしろに居れり。」とする訳が示されると、委員の間からは「をかし」「いみじ」と評価する意見が多数を占めた。また、他の収録候補として、ホラー小説『輪』や、ビジネス書『蘇はいづこにか消えし』の名前も挙がった。
現代古典新設案の背景には、古典授業の不人気がある。『源氏物語』や『今昔物語集』などの古典文学は、男性中心主義的な価値観が色濃く、また排泄物を好んで物語の題材とするなど、教育上不適切な内容も多い。このため、多くの学生が作品に共感できず、授業をつまらなく感じるようだ。
文部科学省が全国の高校生を対象に行った「勉強する意味が分からない科目」調査によると、古典はベクトルを学ぶ数学B、三角関数を学ぶ数学Ⅱに次いで第3位。文系科目で最も評価が低い。
審議会では「古典教育復興のための伝家の宝刀」として期待を寄せるが、早くもネット上では「最初から現代語で読めるのに、勉強する意味がますます分からない」との声が挙がっている。