セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ、秋の季語に これは嘘ニュースです
セイタカアワダチソウ
セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシは、北米原産の外来種で体長は3ミリほど。セイタカアワダチソウが日本全土に分布したことに伴い、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシも帰化が確認されている。
ススキとともに秋風になびく姿が日本の風景として定着したことから、「背高泡立草」は秋の季語として収録されているが、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシは未収録。19文字の長い和名を持つアブラムシとして、愛好家の間ではよく知られる存在だが、セイタカアワダチソウに比べて知名度が低いため、季語としての採用は見送られてきた。
アブラムシ愛好家で、自身も俳人の松尾甘蕉さん(64)は、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシを季語として採用してもらうため5年間にわたって活動を続けてきた。『令和歳時記』の出版元に毎日数百回、欠かさず電話をかけ続けたり、ランサムウェアを添付したメールを大量に送りつけたりした努力が実り、今年8月、出版担当者から収録決定との朗報が舞い込んだ。
17日、収録を祝って開かれた祝賀会に登壇した松尾さんは、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシを詠んだ俳句を披露。「セイタカア ワダチソウヒゲ ナガアブラムシ」と字余りの一句を詠みあげると、出席者からは「これまでの俳句にはない、復活の呪文のようなリズム感だ」と評価する声が多く聞かれた。
「セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシは、体が小さくても、俳句の枠を超える大きな存在。『コオロギ』や『鈴虫』といったありきたりな秋の虫に物足りなさを感じる人にどんどん使ってほしい」と松尾さんは期待を寄せる。