Kyoko Shimbun 2018.12.04 News

マルクス経済学、後継ぎ不足 「若者のマル経離れ」で閉講相次ぐ これは嘘ニュースです

オフシーズンのサンタクロース
 マルクス経済学(マル経)を教える講座の閉講が近年、全国の大学で相次いでいる。ソ連崩壊と共産主義の退潮以降、マル経を学ぼうとする学生数が激減。後進の指導に当たる研究者の高齢化と退官によって、マル経を専門にする若手研究者が不足しているという。

 美富士大学経済学部(山梨県)では今年、これまで30年余り続けてきた「マルクス基礎」の開講を断念した。長年授業を担当していた教官が昨年退官し、引き継ぎができなかったためだ。「昨年の受講者は1人。しかも、コメディの基礎を教えてくれる授業だと勘違いして履修したと聞いています」と、学部長の外間氏は話す。

 資本家による搾取の構造を分析し、神格化までされた思想家カール・マルクスも、共産主義の退潮以降、その知名度は右肩下がりだ。肖像写真を見て「髭男爵」「オフシーズンのサンタクロース」などと答える学生もいたという。

 アベノミクスによって、いざなぎ超えの景気拡大や、高い就職内定率を実現したことも、若者のマル経離れに拍車をかけている。その一方、同大で最も大きい大講義室を使って行われている講義「AIと金融工学」は立ち見が出るほど大盛況だ。

 「少子化による学生減に加え、投資に重きを置いた現代の資本主義社会でマル経の研究を志す若者が減るのはやむを得ない」と外間学部長は話す。今後、後継者不足によるマル経の閉講はさらに進むとみられる。

 後継者不足の問題に詳しい京都大学伝統工芸学部の坂本義太夫教授は「学問に限らず、後継者が不足する主な要因は、その分野に魅力がないか、需要がないかのどちらかだ。需要がなければ価値は下がる。『神の見えざる手』はマル経であろうと容赦なく作用する」と分析する。また「学生の人気を取り戻すためには、無出席無試験で単位を与えるなど異次元緩和が必要だろう」と語った。

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