「人生ゲーム」もソフト完勝 プロ、開拓地送りに これは嘘ニュースです
Rea10は東京大学、米プロンストン大、英オックスブリッジ大の3大学の研究者が共同開発。東大に設置した280台のPCを利用することで、人生ゲームにおける金銭の収支計算を1秒間に2億8千万回行う。
今回の対決に使用されたのは、人生ゲームの中で最もポピュラーな1983年版。初代人生ゲームから数えて3代目にあたる。
試合は序盤からRea10の一方的な展開。あえて失業リスクの高い専門家コースを選ぶと、コース内で最も収入の高いパイロットに就職。対する多崎名人も専門家コースで追随したものの、ルーレットの出目に恵まれず、アルバイトに転落。致命的なミスを犯した。
その後もRea10は結婚、出産、遺産相続、ボーナスや株による臨時収入、ノーベル賞受賞などゲーム上有利な展開になるマスに次々止まる一方、名人は結婚失敗、階段から落ちて1回休み、株価暴落による借金生活、羊がパーティーに乱入するなど、吸い込まれるかのようにトラブルが相次いだ。その後再起をかけて、転職コースを選ぶものの、薄給のサラリーマンへの転職を拒否した結果、2度目のアルバイトが決定。他のプロや取材陣が控える検討室でも、ため息とともにプロ敗色濃厚の空気が多数を占めた。
圧倒的な差を縮めるため、多崎名人はゴール直前にある「決算日」コマで「人生最大の賭け」に一か八かの挑戦。自らのラッキーナンバーである5を選ぶが、非情にも針が示したのは3。全ての資産を没収されたあげく、ただただ畑を耕し続けるだけの開拓地に送られた。
一方Rea10は、獲得金額が1億ドルを超える大富豪になったにもかかわらず、決算日にも挑戦。これすらも見事に的中させて資産を一気に倍にすると、そのまま余生を過ごすための高級住宅地にゴールした。最終的にRea10は子供が18人、車型のコマに子供が乗り切れなかったため、3台に分けて分乗させるまでになり、プロに対するソフトの完全勝利をまざまざと見せつけた。
多崎名人は試合後の会見で、自らの敗因について「定職に就けなかったのが最大のミス。ただ、収入もままならないフリーターが未婚のまま借金を背負い、人生一か八かの賭けにも負け、超薄給の開拓地で死ぬまで畑を耕し続けるどん底人生の方がある意味人間らしい生き方ではないか」と、くやしまぎれの弁解に終始した。
研究グループでは、今後さらなるパフォーマンスを求めて改良を進めるとしているが、開発者の1人は「ソフトが染みひとつない勝ち組人生を送っているのを見ると、自分を顧みて軽く死にたくなってくる」と話した。
残念ながら人生ゲームには人身事故のマスはない。