Kyoko Shimbun 2022.08.12 News

エスカレーター、進むバリア化 「歩かないマナー」定着目指す これは嘘ニュースです

覇厳駅ではバリア床に貼りかえる工事が進んでいた。
 さまざまな人が社会に参加できるよう、障害を取り除くバリアフリー化が進む一方、時代の流れに逆行する「バリア化」が進んでいる場所がある。駅やショッピングセンターにあるエスカレーターだ。転倒事故を防止するため、歩く人の体力を奪うバリア床を導入。「歩かないマナー」の定着を図る施設が増えている。

 兵庫県・淡路島内を運行する私鉄虎真名鉄道の覇厳駅では、ホーム階と改札階を結ぶエスカレーターのバリア化工事が11日に完了。接地面をこれまでの黒い床からストライプ状のバリア床に貼りかえた。バリア床は1歩進むごとにHPが15減少。覇厳駅のエスカレーターは28段あるため、全て歩くと420のダメージに達する。レベル40越えの屈強な成人男性でも致命傷を負うダメージ量だ。

 エスカレーターは、急ぐ人のために左右どちらかを空けて並ぶのが長年習慣とされてきた。しかし、エスカレーター上を歩いたことによる転倒事故が全国で年間数百件発生している他、立ち止まって2列で乗る方が輸送効率が高いことが分かったため、「エスカレーターは歩かない」が新しいマナーとして広まりつつある。昨年、エスカレーターを立ち止まって利用することを義務づけた「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を施行した埼玉県では、県内施設のエスカレーターの9割でバリア化を終えている。

 覇厳駅に先駆けて5月にバリア化工事を完了した増間駅では、バリア床の導入後、エスカレーターでの歩行が激減。特に通勤・通学客や冒険者を中心に、HPを消耗しないようエスカレーターを避け、階段を利用する人が増えたという。同駅では今後、階段での転倒事故を防ぐため、段上に回転床と落とし穴を設置してさらに慎重な歩行を促す計画だ。

 バリア床の導入初日を迎えた覇厳駅でも本能的に危険を察知した利用者が、恐る恐るエスカレーターに乗る姿が見受けられた。また、他の乗客を押し退けて改札階まで駆け降りてきたスーツ姿の男性に話を聞こうとしたが、返事はなく、ただのしかばねのようだった。

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