本焼いて作る「焚書いも」に舌鼓 東京・練馬で これは嘘ニュースです
本を燃やして作った焚書いも
イベントは市民団体「坑儒会」が主催。園内20カ所で焚き火が行われ、サツマイモの上にかぶせるように置いた『論語』などの本に火をつけた。参加者らは自宅から持参した本を次々と火にくべると、火柱はどんどん大きくなり、灰になった紙片が秋空に舞い上がっていった。
この日振る舞われた「焚書いも」は300本。焚き火の炎は40分ほどで消え、灰になった本の山の中から焼き芋が姿を現すと、参加者から歓声が上がった。
ドストエフスキー20冊を焼いた50代の男性は「心なしか罪深い味がする」と、焼きたてのサツマイモをおいしそうに頬張った。若い頃に見栄を張って買ったものの、結局1冊も読まなかったという。
この日焼かれた本は文庫本や新書約2千冊。坑儒会代表の秦政雄さんは「食料品がどんどん値上がりする中、庶民が求めているのは身体の栄養。知識や教養のような心の栄養で腹は満たせません」と話す。
文化庁が23年度に行った調査によると、月に1冊も読書をしないと答えた成人の割合は6割に達し、調査開始以来初めて5割を超えた。「動画もゲームも基本無料でできる今の時代、読書はコスパもタイパも最悪の娯楽だが、燃料として見るとコスパは高い。人間、本なんか読まなくても生きていけます」と、秦さんは話す。
うずたかく積まれた本が燃える様子を近くで眺めていた儒学者の坂本義太夫さんは「これが本を読まなくなった大人の末路だ」と、園内に掘られた大穴の底でため息をついた。
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