Kyoko Shimbun 2025.05.23 News

口に広がる甘味と鉄臭さ 蚊蜜の収穫始まる 愛知 これは嘘ニュースです

モスコニーが取れる蚊の巣
 血を吸った蚊が巣に持ち帰った蚊蜜の収穫が全国各地で始まっている。愛知県の養蚊家・茂須木登さん宅でも20日ごろから、身重になった数十万匹の蚊がせわしなく血を巣に持ち帰っていた。

 蚊が動物から吸って巣に持ち帰った血は、モスコニー(mosquoney、蚊蜜)と呼ばれる。巣の中で熟成されて粘性を増したモスコニーは、幼虫の育成や女王蚊の活動に使われるが、その栄養価の高さから人間にも珍重されてきた。また、つららのように巣から垂れ下がって固まったモスコニーは「蚊蜜糖」として、鴨長明の随筆『方丈記』にも記されている。

 天然の優しい甘さの奥に広がる、口内炎をつぶしてしまったときのような血液特有の鉄臭さが特徴。血を吸った動物の種類によって味に違いがあり、茂須木さんは「ウシの血が多いモスコニーは牛乳の風味がありますね」と話す。血液を再構成して作られる牛乳と基本的な成分が似ているためだという。

 21日、茂須木さん宅の軒下にある蚊の巣の周りには、巣が見えなくなるほど無数の働き蚊が群がっていた。茂須木さん宅の巣で生活する蚊の数は約30万匹ほど。中規模だという。

 温暖化の影響で、蚊の活動期間は年々長くなっており、蚊蜜の収穫期間も伸びている。「蚊は奥ゆかしい生き物。血を吸われても決して怒らず、温かい目で見守ってほしい」。

 茂須木さん宅で取れた蚊蜜は「蚊の恩返し」の商品名で、6月中旬ごろから全国のデパートに出回る予定。また、飲食店にも出荷され、蚊の恩返しを使ったモスコニートーストやモスコニーパンケーキとして楽しむこともできる。

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