Kyoko Shimbun 2025.06.23 News

FIREによるセミリタイア急増 猛暑で「羽化キャンセル界隈」に共感 これは嘘ニュースです

若ゼミに増える「羽化キャンセル界隈」
 梅雨真っただ中にもかかわらず、セミしぐれが聞こえてもよさそうな厳しい暑さが続くが、今年は静かな夏を迎えることになるかもしれない。羽化せずに地中で暮らし続ける「セミリタイア」が今、若ゼミの間で新しい生き方として注目を集めているためだ。

 「まだ梅雨なのに地上はもう炎天下。このまま羽化して干からびるくらいなら、すずしい地中でおとなしく暮らす方がQOL(生活の質)は高いですよ」

 都内の住宅街にあるクヌギの根元で地下生活を送るニイニイゼミさん(6)も、セミリタイアを選んだ「羽化キャンセル界隈」の1匹。昨年に続いて今年も羽化を見送るつもりだ。「羽化して鳴いたところでメスには届かないですし……」とつぶやく。

 セミリタイア増加の原因は「FIRE(炎)」とも称される近年の酷暑。何年も地中で過ごした後、命懸けで地上で這い出し、残りわずかな生活を全うするという従来のセミ生設計に疑問を抱く若ゼミが増えている。

 鹿田大学(奈良県)が今月初旬、近畿地方の若ゼミ2千匹を対象に行った聞き取り調査では、約88%のセミが「羽化しないままセミ生を終えたい」と回答した。調査を行った同大の正倉院瑠璃教授は「記録的なFIREでセミ生の意味を考え直す個体が増えているのではないか」と分析する。

 セミ社会では長年、死に際まで命を燃やし尽くす「セミファイナル」が美徳とされてきた。地上のFIREを避け、自己決定権を重視する羽化キャンセル界隈の増加は、この言葉が持つ意味を今後大きく変えるきっかけになるかもしれない。

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