Kyoko Shimbun 2025.05.01 News

寄生花クローゼッタ見ごろ タンスの肥やしで咲き乱れ これは嘘ニュースです

単司さん宅に咲く寄生花クローゼッタ
 衣類に寄生するクローゼッタが満開となり、全国的に見ごろを迎えている。衣替えシーズンを前に、家庭のクローゼットや衣装ケースを埋め尽くす白や青の花が住人の目を楽しませている。

 クローゼッタはフィリピン原産の多年草。日本には江戸時代、朱印船貿易を通じて観賞用として持ち込まれて土着化。「キワスレナグサ」の和名で知られる。1986年のピープルパワー革命で失脚したマルコス大統領一家が住んでいたマラカニアン宮殿のクローゼットで大量に咲いていたことで、世界的に知られるようになった。

 衣類の虫食いの原因となる害虫と栄養を融通し合う共生関係を持っており、衣類の中で発芽すると、繊維に絡みつくように根を深く張って成長。衣替えが行われる4月から6月にかけて開花期を迎える。死蔵期間が2年を超えた衣類を肥料にして花を咲かせることから、「タンスの肥やし」の由来となった。

 またクローゼッタの根が出す汁に防虫・防腐成分があることが近年の研究で明らかになった。虫の過剰繁殖を防ぐことで、土壌となる衣類を「生かさず殺さず」の状態に保っているとみられる。

 鹿児島県肘宿市に住む単司さん宅のウォークインクローゼットでも、4月下旬から色とりどりのクローゼッタが次々と顔をのぞかせた。

 娘の単司薫さん(17)は「今からインスタに投稿します」と、咲き誇るクローゼッタを背景に自撮り写真を投稿していた。一昨年から市内で行方不明になっていた薫さんだが、今年2月、自宅近くで歩いているところを発見、保護された。

 今は元気そうにスマートフォンを操作する薫さん。その指先からもクローゼッタの小さな花が顔をのぞかせていた。

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