Kyoko Shimbun 2018.07.11 News

仮想アサガオ、アプリで栽培 デジタル化する生活科 マキャベリ小 これは嘘ニュースです

仮想アサガオ栽培アプリ
 多くの人が小学生の頃に経験したアサガオ栽培。水やりやさお立てといった世話や観察記録を通して、成長の気付きを得る生活科の定番授業だが、デジタル時代の到来でその方法も大きく様変わりしつつある。タブレット端末用アプリに表示される「仮想アサガオ」を使って授業を行っている小学校を訪れた。

 東京都八王子市にある私立マキャベリ高等学校小学部では、2年前から1年生の生活科の授業に「仮想アサガオ」アプリを取り入れた。

 アプリでは種まきから発芽、開花、種の収穫まで成長の工程が全て疑似的に体験できる。1年生の児童は入学式で配られたタブレット端末を使い、慣れた手つきでタブレットをタップして「種まき」を行う。

 何日かに1回は水やりをしないとしおれ、最悪の場合、枯れることもある。仮想とは言え、栽培にかかる手間は本物のアサガオと全く同じだ。観察記録はスクリーンショットを撮った画面に、手書きで気付いたことなどを書き入れたカードをネットワーク経由で担任に提出する。

 児童全員の栽培データを管理する担任教諭のタブレットを見せてもらった。バラつきはあるが、中にはつぼみを付けている仮想アサガオもあった。さらにネット上で「裏技」を仕入れたのか、高さ8メートルまでツルを伸ばした「お化けアサガオ」もあったが、「デジタルならではの面白さもある」として叱るなどの指導はしていない。同校の校訓であるマキャベリズムに加え、20年から実施される小学校でのプログラミング義務化を見据えての判断だという。

 学年主任の君島主税教諭(51)は「どの子も楽しそうに育てています。我々の世代にとっては信じがたいですが、『スマホ子育て』に慣れているデジタルネイティブ世代の子供たちにとっては、葉についた害虫よりバグ取りが、土いじりよりパラメーターいじりの方がリアルなんだと思います」と話す。

 取材中、教室にやってきた1年1組の油井唯さんが育てたアサガオを見せてくれた。ディスプレイに鮮やかに表示された白い縁取りの青い仮想アサガオは、一足早い本格的な夏の到来を感じさせた。

 「どうしても一番乗りで咲かせたかったから、3万円課金しちゃった」。油井さんは微笑みながら話してくれた。

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