「琵琶湖の水ぜんぶ抜く」 外来魚駆除に「排水」の陣 これは嘘ニュースです
完全に水が抜けた琵琶湖(写真は守山市付近)
ブルーギルやブラックバスなど外来魚による生態系の破壊に頭を悩ませてきた滋賀県では、外来魚のキャッチ・アンド・リリースを条例で禁止するなど、長年対策に取り組んできた。しかし実際には外来魚の撲滅から程遠く、県は14年、いったん琵琶湖の水を全部抜き、外来魚を駆除した後、再び水を入れ直す環境事業「琵琶湖の水ぜんぶ抜く」の検討に入り、環境省と協議してきた。
総事業費は県収入100年分に相当する約60兆円に上るとの試算が出たほか、実施中は県内のほぼ全域で断水になったり、豪華客船「ミシガン」「ビアンカ」「うみのこ」が休航したりするなど、県経済への影響は計り知れないが、「外来魚と共存するくらいなら死んだほうがまし」という県民の総意を受け、1日から抜き取り作業が始まった。琵琶湖を取り囲むように配置した超大型ポンプ約8千台が、275億トンの水を1日12億トンペースで汲み上げている。
22日現在、最深部付近にはまだ水が残っているものの、完全に水がなくなった南湖や北湖東岸では10日ごろから外来魚の駆除が進んでいる。湖岸に設置された「外来魚回収ボックス」には大量のブラックバスがあふれ、炎天下のもとで勢いよく死臭を放っていた。ボランティアとして駆除に参加する仰木サトさん(78)は「外来魚がいなくなるなら琵琶湖の1つや2つ干上がってもかまいません」と汗をぬぐいながら話す。
思わぬ歴史的発見もあった。安土城跡がある近江八幡市の湖底からは、南蛮製の西洋人形が粉々の状態で大量に発見された。西洋人形は明智光秀が愛していたとされており、「光秀の遠征中、織田信長が人形を勝手に処分したことが本能寺の変につながったのではないか」という説を裏付ける大きな発見になりそうだ。
琵琶湖の下流に位置する京都府の男性は「まさか本当に琵琶湖の水を止められる日が来るとは」と驚きを隠せない。