Kyoko Shimbun 2016.08.15 News

単位をネットで売買、大学公認で 山梨・美富士大 これは嘘ニュースです

「単オク」には煽情的なタイトルが並ぶ。
 山梨県の私立美富士大学経済学部が昨年度に導入した「授業単位競売制度」が、今年度から本格的に始動した。学生自らが単位を売買することで、市場経済への理解を深めるなど、新しい学校運営のケーススタディとして他大学も大きな関心を寄せる。

 「★1円~★一般教養英語購読(前期)★★」「【特価】マクロ経済学入門(岩井)【必修】」「<セット割>西洋経済史&統計<高難度>」――。美富士大経済学部がインターネット上に立ち上げた単位売買公式ページ「単オク」には、余った単位を売りたい学生たちが工夫を凝らして付けた煽情的なタイトルが並ぶ。

 同学部が規定する卒業最低単位数は140。だが実際には、ほとんどの学生が単位を落としても良いよう、授業数を多めに取った履修届を出しており、卒業時には単位を余らせることが多い。その一方で、年次ごとに定められた規定単位数を満たすことができず、留年や退学を選んでしまう学生も経営上の課題になっている。

 同大が単位競売制の導入に踏み切ったのは、このような単位の不均衡を是正するためだ。

 制度の導入で、売り手は単位を取得するのに費やした時間や労力を現金化できる。また買い手は授業に出ない時間をアルバイトに充てるなどして懐に余裕のあることが多く、単位の売買を介して両者の経済格差を均すメリットもある。

 約45時間分の学習に相当する1単位の相場は現在6万円前後。同学部は卒業論文が課されないため、900万円程度あれば1度も授業に出ることなく卒業できる計算だ。

 2年間で210単位を確保したという男子学生(19)は、履修者が少ない「レア授業」の単位を中心に販売し、すでに600万円の利益を得た。単位販売がビジネスになることに目を付けた同級生5人と先月学生ベンチャーを立ち上げ、今後はプロ大学生として入退学を繰り返す予定だという。

 運営費として落札額の5%を徴収する学部の手数料収入は年間数億円規模に達する見込み。今回の成功を機に、同大では来年度にも制度を全学部に拡大する。すでに他大学から問い合わせや単位互換の申し出が来ており、同大の偏差値暴落に拍車がかかりそうだ。

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