「使える仮病」教えます 仮病セミナーが人気 これは嘘ニュースです
仮病に慣れていないと失敗も多いという
「使える仮病セミナー」を開いているのは、新宿区のコンサルタント会社スードー・コンサルティング。ばれない仮病の種類や仮病で休む場合の連絡方法、休暇中のアリバイ作りといった技術論から、後ろめたさからの逃れ方、ばれたときの開き直り方まで、仮病の完全習得を目指す。
90分(全10回)のセミナーには、学生から会社員まで、仮病術を習得したい多くの受講者が連日詰めかける。14年の開講以降、受講者は延べ2万人を超えたという。
この日やってきた受講者の中には、脚のねんざを理由に休んだ翌日、腕に湿布を貼って登校した中学生や、「43.8度」と加工表示した体温計の写真をメールで送って大事に発展してしまった会社員もいた。「受講者の多くは仮病に慣れていないので、つじつま合わせや力加減が分からないのです」と講師の甘利プロは話す。
この日行われたのは電話越しに自然な咳を出す訓練。電話中何度もゴホゴホと咳込みすぎると、かえってわざとらしく受け取られるので「咳を我慢して話しているが、どうしても出てしまう雰囲気」で咳込むのがコツだという。受講者は2人1組で咳混じりに「どうも昨日から風邪を引いてしまったみたいで……」など、用意されたセリフを繰り返し練習していた。
講習の最終回では、これまでの練習の成果を生かし、実際に仮病で休んだ受講者が集まって同級生や同僚に見つからない都内の穴場スポットを巡る「卒業旅行」で幕を閉じる。卒業旅行を終えた修了者は、通勤通学の義務感から解放された仮病のエキスパートとして晴れやかな顔つきで社会に戻っていくという。
同社では、今後さらに仮病のマニュアル化を進め、数年後には企業経営者向けセミナーも開催したいとしている。