Kyoko Shimbun 2012.03.26 News

17歳ハッカー少女を指名手配 「指南書」も発禁処分に これは嘘ニュースです

発売禁止が要請された小説『サイバーテロ 漂流少女』(一田和樹著・原書房)
 警察庁サイバーテロ対策本部は25日、防衛省などの官公庁や民間企業のコンピュータに不正に侵入し、機密情報を奪ったハッカー集団「平坦主義」の首謀者とされる橋本玲音(れいん)容疑者(17)を不正アクセス禁止法違反の疑いで全国に指名手配した。同庁ではハッキングされたデータを悪用すれば、社会インフラが壊滅状態に陥る可能性が高いと判断。事態の緊急性を優先させ、未成年者の実名捜査に踏み切った。

 対策本部の調べによると、ハッカー集団「平坦主義」はハッキングに精通する12歳~18歳の少年少女が中心メンバー。昨年から官公庁の機密情報や、民間企業が保有する顧客のメールアドレス、クレジットカードの暗証番号などの個人情報5300万件を不正に盗み取ったとされる。また、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルサイトや、スカイプなど通信分野の管理権限もすでに平坦主義に掌握されているとの情報もある。

 これらの個人情報を利用して末端ユーザーのパソコンに侵入すれば、数百万人のネット証券利用者が保有する株式を勝手に売買することで株価の乱高下を誘発できるほか、ツイッターでは本人になりすまして、5分おきに「うんこなう」をつぶやかせることで、利用者の便意を偽装させることも可能になるなど、社会を深刻な信用不安の状態に陥れることが可能になる。

 警察庁ではかねてから平坦主義の行動を警戒してきたが、発電所などのインフラをターゲットにしたサイバーテロ活動を数日以内に本格化させる兆候を察知。被害を最小限に抑えるため、首謀者とみられる橋本玲音容疑者を緊急で全国指名手配した。少年法では20歳未満の未成年の実名・顔写真の公開を禁じているが、事態の緊急性と深刻性から、超法規的措置として実名での捜査に踏み切った。

 また今回の事件に関わっている少年・少女がハッキングの指南書として利用した小説『サイバーテロ 漂流少女』(一田和樹著・原書房)についても、被害拡大を防ぐため、当面発売禁止処分とし、店頭から回収するよう出版社と書店に要請した。

 同書については、発刊当時から「小説の体裁をとりながら、サイバーテロに対する日本の脆弱(ぜいじゃく)性を生々しく告発している」として、その危険性を指摘する声がセキュリティ業者から相次いでいた。

 サイバーテロに詳しい京都大学情報学部の坂本義太夫教授(ハッキング論)は「サイバーテロを題材にした『漂流少女』が発売禁止になることは予測されていた。なぜならばハッキングなだけに発き…」と、話す途中でスカイプ通信が強制終了されてしまった。

 過去、平坦主義に所属していた少年(16)によると、平坦主義は極度にダジャレを嫌う傾向があったという。



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 こんにちは。虚構新聞社主のUKです。いつも本紙をご購読くださりありがとうございます。
 今回本紙当該記事に登場しました小説『サイバーテロ 漂流少女』を、著者の一田和樹さんのご厚意により、出版社の原書房さんからご提供いただきましたので、本紙読者限定、抽選で5名の皆さまに差し上げます。
 ご応募は下のメール投稿フォームから、(1)お名前もしくはハンドル名、(2)メールアドレス、(3)作者に一言(空欄可)をご記入の上、送信ボタンをクリックしてください。応募は一人一通までとし、多重応募が明らかになった場合、当選はキャンセルになりますのでお気をつけください。応募締め切りは3月31日までです。
 当選者には一田さんご本人からメールにて、後日改めてご連絡差し上げます。また、本紙にて当選者の発表はございませんので、あらかじめご了承ください。

プレゼント企画は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。


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<BOOK>サイバーテロ 漂流少女

 舞台は2011年の日本。アンチウイルスソフト「マトリョーシカ」、人気のアンケートサイト「アンタビューズ」、そして官公庁などへの不正アクセス。これらのキーワードが一つの糸としてつながるとき、そこには未来なき今の日本に絶望した少年少女たちが夢を託したサイバーテロによるクーデター計画があった。

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