ハイチに千羽鶴折り機を 東大阪の町工場が寄贈 これは嘘ニュースです
全自動折り鶴製作機
東大阪市に工場を構える(株)漏油工業は、従業員6人のどこにでもある町工場だ。この工場ではパック寿司についている魚型しょう油入れの赤いキャップに滑り止めのみぞを掘るプロセスを請け負っており、その国内シェアは98%以上を占めている。
そんな一介の町工場で長年キャップ作りに携わってきた油日幹造さん(58)は、先月ハイチで起きた大地震の被災者に千羽鶴を送ろうという運動があることをインターネットで知った。
「被災者の方々に元気になってもらいたいという気持ちがひしひしと伝わった」と油日さんは話す。しかしそれと同時に「人の手で千羽も鶴を折るのは非効率で時間がもったいない」とも考えた。
油日さんは、翌日「長年機械の製作に関わってきた職人として、何とかお手伝いできないか」と考え、知り合いの技術者たちに掛け合って、折り紙をセットすれば自動で鶴を折る機械の製作に取り掛かった。勤務外の時間や休日を利用しながら、さまざまな改良を重ねた結果、先月29日、ようやく機械が完成した。このような自動で鶴を折る機械は世界初だという。
油日さんはさっそく完成した機械を譲ろうと、千羽鶴を送る会の代表に打診。だがこの千羽鶴を送る運動に対し「現地の被災者の気持ちを考えない偽善」「単なる嫌がらせ」などの批判が相次いだため、千羽鶴の企画が中止になったことを知らされた。
「せっかく作ったのだから、とにかくハイチに送りたい」と、油日さんはこの機械に折り紙10万枚を添えて現地に送ることにした。先に鶴を折らずにそれぞれ別々に送るのは、機械の繊細な技術を目で見て感心してほしいからだ。
翌30日、油日さんたちは東京にある在日ハイチ大使館を訪問。機械と折り紙を寄贈した。面会に現れたンドゥバ大使代理は「わが国で鶴は悪魔の象徴とされているから、現地で受け入れられるのは難しいかもしれない」と話したが、油日さんは「先端部のパーツを変えれば、カブトムシも折れるので試してみてほしい」と答え、機械の柔軟性をアピールした。
現地報道によると、油日さんの折り機は日本時間1日深夜に到着。被災地では電気が止まっているため全く稼動しなかったという。