Kyoko Shimbun 2025.05.19 News

神、水道管破裂で謝罪 「大洪水」調査報告石板公表 これは嘘ニュースです

漏水事故現場は絵画にも描かれてきた
 紀元前3千年ごろに地球全域で発生した大規模洪水について、地球のインフラを管理する神は18日、「老朽化した水道管の破裂が原因」とする調査結果を啓示し、謝罪した。

 報告石板は、破裂の原因について「水圧調整の不備」と説明。「天地創造後の保守点検が十分でなかった」と結論づけ、「人の悪が地に満ちたため」とするこれまでの説明を撤回した。

 洪水発生前後の具体的な動きも明らかになった。破裂した水道管は、「水と水とを分ける装置」として創造2日目に建設されて以降、経年劣化が進んでおり、事故発生の100年以上前から亀裂が確認されていた。

 緊急対応石板では、修復が間に合わないと判断した場合、地上各地の預言者を通じて方舟を建造するよう避難啓示を出すよう定められていたが、実際に啓示が届いたのは1名にとどまった。この点について報告石板は「誤って古いバージョンの音声コードを使って啓示したため、多くの預言者が復号化できず、単なるノイズとして届いた」としている。

 また、応急処置が完了するまで40日40夜かかったことについて、「対応が後手に回ったのではないか」という記者からの指摘に対し、神は「天の水門の蝶つがいが創造後一度も潤滑されていなかった。サビを落とすのに想定以上の時間を要した」と答えるにとどめた。

 再発防止策として、今後はルシフェル社に委託していた水門の点検業務を直轄に戻し、神対応を行うと発表した。

 近年、著名なドイツ人思想家から死を宣告されるなど、神への嫌がらせ行為が続いていたが、先の大洪水が天災ではなく神災だったことで、世論の視線はいっそう厳しさを増しそうだ。

 創造1日目に実装した照明系システムの慢性的なトラブルで平均気温が上昇するなど、地球の老朽化が進む。インフラの改修については「検討中」とだけ答え、サービス終了の可能性を否定しなかった。

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