世界最古の酢豚レシピ見つかる 「酢豚パイン論争」に終止符 これは嘘ニュースです
酢豚
地元紙「七索日報」が27日付で伝えた。酢豚の具材には豚肉、ピーマンなどの野菜、そしてパイナップルを指す「菠蘿(ボーロー)」を加えるのが一般的。果物であるパイナップルを入れる理由については、「当時高級食材だった菠蘿を入れて欧米人の好みに合わせるため」「パイナップルの酵素で肉を柔らかくするため」など諸説ある。
しかし、「豚肉と野菜だけで十分なのに、パイナップルの甘味で味が台無しになる」と主張する「パイナップル不要論」は根強く、その是非は長年論争の種となっていた。
地元の広東料理店「包(パオ)」で見つかった『食譜』は、初版と改訂版の計2冊。酢豚はこれまで、18世紀ごろの清朝中期に生まれたと考えられてきたが、『食譜』初版は明朝末期の1602年までさかのぼる。初版の酢豚は、揚げた豚肉と野菜を甘酢あんで味付けするシンプルな料理だったが、1608年の改訂版では、調理手順の後半で「一口サイズに切った菠蘿をあえて加える」と付け加えられていた。この工程を除いて、調理法に変更はなかった。
「あえて」と書いている理由について、「七索日報」は、料理研究家・魏大夫さんの説を紹介。「竜の絵に瞳を入れたら天に飛び去ったという『画竜点睛』の故事のように、酢豚という完璧な料理を作り上げたことで、その存在が失われてしまうことを恐れた当時の料理人が、あえて不完全な料理にするため、菠蘿を加えたのではないか」と解説している。
「完璧は衰えの始まり」という「満つれば欠ける」の俗信は、1本だけあえて模様を逆さまにした日光東照宮陽明門の「逆柱(さかばしら)」など、日本でも知られる。
至高の料理として完成した酢豚が永遠に食卓に上ることを願った料理人の「菠蘿は不要だからこそ必要」という、逆説的な意図が明らかになったことで、これまで数多くの悲劇を生んできた「酢豚パイン論争」は、両者の和解という形で決着を迎えそうだ。