クリスマス向け わら人形作り最盛期 山形 これは嘘ニュースです
次々と積み上げられる南庄内産わら人形
県内でも特に稲作が盛んな南庄内村では、稲刈り後のわらを使った人形作りが伝統的に行われてきた。その歴史は平安初期にまでさかのぼると言われ、保元の乱を描いた軍記物『保元物語』下巻には、この地域で作られたわら人形が崇徳上皇(1123~42)に献じられたという記述も残されている。
日本三大怨霊として恐れられてきた崇徳上皇が呪いに使ったことから、南庄内のわら人形は丑の刻参りで最も効果があるものとして珍重され、以降数百年以上にわたり多くの人々に不幸をもたらしてきた。
稲の収穫後まもなく始まるわら人形作りは、これから年末にかけて、村内の農家総出で一つ一つ心を込めて手作りで行われる。わら人形を90年以上作り続けている最上ヨネさん(99)は「わらの1本1本に怨念を込めながら縄で縛っていくのが肝心。機械で作っている海外の安いわら人形では、ここまでの禍々(まがまが)しさは出せません」と話す。そう言いながら最上さんは、昔人形作り中に誤ってわらの中に自分の髪の毛を入れてしまったために受けた腕や太ももの古傷を見せてくれた。
南庄内村役場伝統産業課によると、わら人形の注文は毎年クリスマスからバレンタインデーにかけて特に多くなるという。1日から始めた今年の予約注文は初回出荷分3万体が即日完売。年内出荷分はすでに満杯ということだ。