いたずら?不仲? 名古屋城の金鯱、逆を向く これは嘘ニュースです
そっぽを向いた金の鯱(読者提供)
市によると、最初の問い合わせがあったのは22日午前5時ごろ。「鯱の向きがおかしい」という内容のものだった。その後、市への問い合わせが相次ぎ、午前6時には電話とメール合わせて300件以上に達した。連絡を受けた当直の市職員が確認に向かったところ、天守左側の鯱が外を向いていたことから、愛知県警に通報。県警は警官20人を派遣し、現在天守での鑑識作業を進めている。
県警は何者かによる悪質ないたずらと見ているが、市には鯱の写真を添付したメールも複数届いており、中には鯱が動いている途中と見られるものも含まれていた。鯱の周りに人影が映っていないことから、鯱が自律的に動いた可能性もあるという。
名古屋城の天守を支える夫婦(めおと)の金の鯱は、建造当初から折り合いが悪く、文献「名城記」には城が完成した江戸時代初期から数えて7度にわたって鯱の脱走が記録されている。その後は陋習(ろうしゅう)を禁じたい明治新政府の方針に従い、鯱が逃げないよう、毎年交互に鯱をレプリカに置き換えて対応してきた。
だが09年、名古屋市長に初当選した河村たかし市長が150年近く続いてきたこの方針を転換。「やっぱり本物を見てもらわにゃあいかんだがや」と、両側に本物の鯱を設置するよう指示した。
金の鯱に詳しい京都大学歴史学部の坂本義太夫教授(うい論)は「今回はいたずらではなく、鯱本人の意思によるもの。何の愛情もわかない夫や妻と毎日毎日対面させられ続ける精神的苦痛は想像するに余りある。お互い天守にいるより家裁の方が居心地いいのではないか」と話した。