「ネパールに学校を作ろう」に政府困惑 これは嘘ニュースです
日本各地で行われている廃品回収の収益や募金でネパールに学校を寄贈するプロジェクトについて、ネパール政府が在日大使館経由で「次から次へと学校ばかり寄贈されても困る」と難色を示していることがわかった。ネパールに学校を贈るプロジェクトは、80年代後半ネパールの学習環境を知った千葉県の中学校教諭が空き缶回収の収益を寄付したことが始まりとされる。その後この活動が全国教育者総会で紹介されたことをきっかけに全国に波及。最盛期には1年で約8600校が建設され、昨年も500校余りが建てられた。在日ネパール大使館によると、現在ネパール国内にある学校の80%以上が日本からの寄贈によるものだという。
在日ネパール大使館のビヒバール・アーナンダー公使は取材に対し「わが国の学習環境に対し、日本国民の皆様が多大な関心を払ってくださるのはありがたい。だがすでに学校の数は十分でこれ以上寄贈されても、もはやそこで学ぶ生徒がいない状況。地域によっては子供が4人の村に学校が16校建っているところもある。そろそろ学校建築は控えてほしい」と困惑気味に話した。
同様の例は貧困国ソマリアでも起きている。
ソマリアに井戸を掘る活動を支援するプロジェクトでは、施工主である複数のボランティア団体が同じ村での工事を発注してしまったため、狭い村内に8本も集中して井戸が掘られてしまい、その結果地盤沈下が起きて13人の村民が命を落とした。
ネパール在住のある日本人は「『学校ができる』と聞いて苦笑いするネパール人は多い。今では電気など他のインフラ整備を望んでいる人がほとんどで、『どうして日本人は学校ばかり建てたがるのか』とよく尋ねられる」と現地の状況を語った。
外務省によると、今年もすでに431校が建てられ、今後5年間でさらに2200校の建築予定があるが、ネパール政府の要請を受けて一時中止される予定。
▽ボランティア活動に詳しい京都大学文学部現代文化研究室・坂本義太夫教授の話
ネパール以外にも学校が必要な国があるにもかかわらず、ネパールにばかり集中してしまう、日本人が陥りやすい『右に習え式ボランティア』の典型。このような活動は現地の事情を省みず、自己満足のためだけに行われているため、活動者本人が迷惑をかけていることを自覚していない。