マジコン使用者を一斉摘発 全国223人を逮捕 これは嘘ニュースです
警察庁違法ソフトウェア対策特別捜査本部は3日、不正にゲームソフトをダウンロードし、マジコンで使用したと見られる223人を全国で一斉摘発、著作権法違反の容疑で逮捕・補導した。検挙者の多くが中高生ら未成年であったため、今後は保護者の監督責任を追及し、悪質な場合は著作権法違反幇(ほう)助の疑いでさらに逮捕する方針。警察庁の発表によると、今回逮捕・補導されたのは全国35都府県にわたる223人。検挙者は11歳の女子小学生から46歳の男性会社員まで広く、最も多い年齢層は中高生の167人で全体の8割程度を占めている。また、警視庁は同様の疑いがある約2000人についてもすでに個人を特定しており、マジコンを違法に使用している裏づけが取れ次第、追って逮捕・補導していく。
「マジコン」とは、正規に購入したソフトをバックアップするための機械のこと。しかしこのような名目上の目的で使われる例は極めて少なく、実質的には不正にネット上からダウンロードしたソフトを起動するために使われている。現在マジコンは「ニンテンドーDS」用のものが大多数を占め、マジコンと言う時はDS用を指す場合がほとんどだ。
今回の一斉摘発に至った背景には、先月発売され、300万本のセールスを記録した人気作「ドラゴンクエスト9」をはじめ、年末までにヒットが予想されるソフトの発売が相次ぐことや、夏休みのうちに検挙することで学業に影響を及ぼさないようにしたことが挙げられる。また、先月30日にはDSのファームウェアアップデートでマジコンを動作できなくするなど、メーカーも本格的対策に乗り出したことから、検挙のタイミングとしてふさわしいと判断したようだ。
今回マジコンユーザーの一斉摘発を行った「違法ソフトウェア対策特別捜査本部」は、「知的財産戦略委員会」の委員長を務める麻生首相の肝いりで今年1月に秘密裏に設立。警察庁サイバー捜査班やソフトウェア団体関係者など官民の枠を超えた形で立ち上げられた。
捜査本部では各ソフト会社の許可を得たうえで、ネット上にゲームソフトの違法ダウンロードサイトを開設。今年6月までに合計約1500万件のアクセスがあり、30万件程度のダウンロードがあった。さらにこの30万件の中から、一人で数百回にわたってダウンロードを繰り返すなど悪質な利用者を抽出し、個人を特定する作業を進めてきた。
今回の検挙は特に悪質だったユーザーを優先しておこなったが、捜査本部では「摘発は違法性の裏づけが取れた順番。すでに2000人程度の個人名を特定しており、違法性が固まり次第順番に逮捕していく」と話した。また別の関係者は「ダウンロードの回数は関係ない。『出来心で1回』の場合でも違法であれば逮捕することに変わりはない」と語った。また開設されたダウンロードサイトは現在も公開中だが、今後さらに摘発を進めていく方針上、サイト名やアドレスは非公開とされている。
この件についてネット上では賛同を示す声が多いが、「おとり捜査だ」「任天堂終わった」「マジこんなこと許せない」などの声も一部見られるほか、マジコン使用を公言していた人が自身のブログ上で丸坊主にしたうえ全裸になり焼けた鉄板の上で土下座する写真を公開するなど波紋が広がりつつある。
あるマジコン利用者は「バックアップしたゲームをプレイする人が多大な迷惑をこうむる」と話すが、今回検挙された223人のうち、家宅捜索でゲームのデータを吸い出すための機器を所有している人数はゼロだった。