ブラックフライデー、冥土でも 渡し船も3文に これは嘘ニュースです
運賃半額を告知する此岸乗船場
8日未明、三途川にある賽(さい)の河原前には、渡し船に乗ろうと多くの死民が行列を作った。ブラックフライデーの期間中、彼岸行きの運賃は通常時の半額の3文に値下げ。彼岸と此岸を往復できる「臨死体験クルーズ」(6文)も好評だ。
また此岸乗船場周辺では、ガレージセールも開催。亡者が質入れした衣料品を最大8割引で販売している。「渡し船の運賃が足りず、衣服を売る人が以前より増えました」と、運営者の女性は話す。
キリスト教国発祥のブラックフライデーは、11月下旬の感謝祭翌日の金曜日から年末まで、免罪符が大幅値下げされたことに由来するとされる。仏教ルートを通って昇天する場合、免罪符を携帯する必要はないが、代わりに三途の川の渡河費用や、審判の際に裁判官への「謝礼金」が必要となるため、なるべく多くの死後資金を用意しておく必要がある。
死後の金銭不安を緩和するため、政府は来年1月から少額投資非課税制度(NISA)を恒久化し、死後資金の形成を促す。金融庁の担当者は「100万円の元金でも年利3%で200年運用すれば3億7千万円になる。高齢者もどんどん金融商品を買ってほしい」と積極的な投資を促す。
共和国データリサーチは10月、富裕層と貧困層との間で極楽往生率に30倍の開きがあるとする調査結果を発表。「地獄の沙汰も金次第」をデータの面からも明らかにした。金の亡者ほど質の高いサービスを受けられる傾向は現世も冥界も変わらないようだ。