トイレ紙監視もセルフ式 ペアトイレ導入で盗難激減 これは嘘ニュースです
2人1組で入るペアトイレ
百貨店中堅の八越デパートでは、4月から店内の全フロアにペアトイレを導入した。個室トイレ2室を分ける仕切りを撤去。2人以上の入室をセンサーが検知した場合のみ、自動ドアが閉まって施錠する仕組みだ。
導入のねらいは、近年コンビニや駅などの施設で多発するトイレットペーパーの盗難対策だ。トイレ内に防犯カメラを設置できないことが監視の足かせとなり、管理者は対策に頭を悩ませてきた。
八越でも注意書きを掲出したり、従業員にトイレを巡回させたりするなどして対応してきたが、人件費抑制の観点から、盗難対策の全面見直しを検討。ロボットによる巡回案などが挙がったが、最終的に監視作業を来店客にアウトソーシングすることでまとまった。
ペアトイレは、防犯カメラに頼らず、利用者が相互に監視する状況を作って抑止効果を高めるのが特徴。セルフ式導入によるコストダウンは小売業界の定石とも言える。
八越清掃部によると、近年、中国でも同様の被害が多発していることが発案のきっかけになったという。「かつての中国には仕切りのないトイレが多かったが、経済が発展するにつれ、日本のような個室トイレに置き換わっていった。昔は他人の目が盗難の抑止力になっていたのではないか」と、開発担当者は分析する。
「トイレの壁は心の壁。仕切りのない個室の便器に2人仲良く腰掛けながら、他人への思いやりを取り戻してほしい」
ペアトイレの導入後、毎日300ロールほど盗まれていた盗難件数は0件に。先月は人件費ゼロ、来客数ゼロを加えた「トリプルゼロ」も達成した。「仕切りひとつ外すだけでここまでの効果があるとは」と、担当者も驚く。