Kyoko Shimbun 2024.08.10 News

一匹丸ごとワンコインで 「贅沢シラス丼」、丼の松田家 これは嘘ニュースです

贅沢シラス丼(並盛り・500円)
 牛丼店の「丼の松田家」は、12日から「贅沢シラス丼」を販売する。静岡県産高級シラスを丸ごと1匹使い、独自配合のだし醤油で味付けした。価格は500円(並盛り・税込み)。物価高騰が家計を圧迫する中、企業努力でワンコインに抑えたという。

 シラスはカタクチイワシの稚魚。贅沢シラス丼は釜揚げにした静岡県産高級シラス「次郎」を頭から尻尾まで丸一匹使用。米も新潟県産コシクダケを専用釜で炊き上げた。シラスが丼からはみ出るほどのボリューム感が特徴だという。

 近年、太平洋を流れる黒潮の潮流が変化した影響でシラスの漁獲量は減少。さらにインバウンド需要で価格が高騰しているため、シラスを切り身にして提供するなど飲食店の多くが価格維持に苦慮している。同社では独占契約する漁師から安定的にシラスを提供されているため、シラスを一匹丸ごと提供できたという。

 発表会に登壇した創業者の吉野CEOは「上げ底容器や食材を印刷した包装など、消費者の目に見えない部分で減量するセコい悪癖は一刻も早く無くすべきだ」と、業界の手法を批判。「贅沢シラス丼は、写真通りの真っ正直な商品。私も毎日食べているが、初めて口にされるお客様もきっと驚かれると思う」と自信を見せた。

 同社は10年前に発売した、丸めたソーセージの上におろしポン酢を乗せた「ベルリンの壁丼」以降、大きなヒット商品に恵まれず、業績が低迷。一時は国内外1千店を超えた店舗数も、ハゲタカファンドに全てをむしり取られた結果、現在は都内に1店舗を残すのみになっている。物価高でのランチ需要を狙った「贅沢シラス丼」を業績回復の自爆剤にしたい考えだ。

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