Kyoko Shimbun 2023.07.29 News

数学教科書から“x”消える 米起業家が独占使用権獲得 これは嘘ニュースです

鱒出版が発行を予定する『[改訂版]中3数学』
 日本で使用されている算数・数学の教科書から変数「x」が消えることが28日、わかった。ツイッターを所有する米起業家のイーロン・マスク氏がXの独占使用権を獲得したため。突然の通告に出版社も対応に苦慮している。

 数学の教科書を手がける複数の出版社が27日、全国の教育委員会と書店に「弊社算数及び数学教科書の回収・交換に関するご案内」という文書を相次いで送付した。いずれも教科書に登場する変数「x」が買収によって使用できなくなったため、8月下旬までに改訂版と交換するという内容だった。

 中高生向け数学教科書を出版する鱒出版によると25日、マスク氏の代理人を名乗る人物から、数学に関する出版物におけるXの独占使用権を氏が獲得したため、今後教科書内でxの使用を禁じる内容の通告があったという。担当者は「xは数学で最も重要な概念。かなり厳しいところを突かれてしまった」と戸惑いを隠せない。

 Xに対するマスク氏の執着は広く知られる。02年に設立した宇宙開発企業を「スペースX」と命名したほか、24日には長年親しまれてきたツイッターのロゴマークを青い鳥からXに置き換えると発表。17年に購入した「x.com」とツイッターのドメインを統合した。また、ツイッターで「@x」のアカウントを所有していた一般ユーザーから、本人の同意なくアカウントを没収するなど、Xの独占を意図する昨今の放縦な振る舞いには批判が集まる。

 鱒出版では、執筆者らと相談した結果、xを青い鳥のシルエットに差し替えて対応することを決めた。今後他の文字も買収される可能性があるため、社内で最もリスクの少ない記号・シンボルを検討した結果だという。担当者は「マスク氏が今最もどうでもいいと思っているデザインは青い鳥だろう」と説明する。

 夏休みが明けた2学期からは、マスク氏に追われて行き場を失った無数の青い鳥が数学の教科書を彩ることになりそうだ。

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