ユビノマスク、マフラー… 指の防寒具、じわり人気 これは嘘ニュースです
ユビノマスク(右下)と指マフラー(左上)
衣料品の企画・製造を手がける布綻産業(大阪府)は、指用マスク「ユビノマスク」の販売を9月から始めた。
コロナ禍でマスク着用が定着する中、「感染防止のためには、口だけでなく他の場所も覆う必要があるのではないか」という問題意識から、物と接触することが多い指を覆う約1センチ四方の指用マスク「ユビノマスク」を考案した。
発売当初はほとんど売れなかったが、TikTokなどSNS上で影響力を持つ「インフルエンサー」が好意的に紹介したことをきっかけに、11月ごろから爆発的に売れだした。他人に指紋を見られることを恥ずかしがる20代から30代が購買層の多数を占めるという。
指の付け根を寒さから守る「指マフラー」も今年注目のアイテムだ。火付け役となったのは、生活雑貨メーカーの蕪卯茛品が10月に発売した「指元を包み込む毛糸の指マフラー」。素材が持つ本来の風合いを生かした自然さが、シンプル志向の人たちに好まれているようだ。1枚2000円だが、高級ブランドも相次いで参入を表明。新たなファッションとして定着する兆しも出てきた。
指への注目が集まった背景について、ファッション史に詳しい服飾研究家の坂本義太夫さんは「口元を覆うマスクが『顔のパンツ』と呼ばれだしたように、コロナ禍を機に、肌の露出が恥ずかしいという価値観に回帰しつつある表れだろう。この時期、身体に残された露出部は手しかなく、業界にとって指は最後のフロンティアだったのではないか」と分析。また「来年はこの傾向がさらに進んで、全身タイツがファッションシーンを席巻する」と予測する。