「感情絵文字も個人情報」 無表情フィルター導入提言 これは嘘ニュースです
ポーカーフェイスフィルター
利用者はフィルターによって、SNSやメールで使う喜怒哀楽の絵文字を公開する範囲を細かく設定できる。一部の許可した相手以外には全て無表情で表示されるほか、企業にも無表情絵文字を個人情報として収集しないよう要請する。
フィルター機能を要請した背景には、ネットサービスとプライバシーをめぐる最近の情勢の変化がある。これまでネット企業は、利用者の検索・閲覧履歴、性別、住所、学歴など私的データを収集、利用することで、広告や販売などのビジネスに結び付けてきた。
だが今年、不正に取得されたフェイスブックの個人データ約8700万人分が選挙活動に利用された疑惑が浮上したことをきっかけに、世界的なフェイスブック離れが加速。また25日からは、EU28カ国で一般データ保護規則(GDPR)が施行され、EU圏内での個人データ管理に関する規定が厳格化された。GDPRに違反した場合、巨額の制裁金が課せられる可能性もある。
利便性と引き換えに企業に差し出していた詳細な個人データを改めて保護しようという動きが広がる中、AMGは、喜怒哀楽の絵文字もまた内心を表現する個人情報としてデータ保護の対象になると規定した。AMGがまとめた提言書は「現実世界では心にどんな感情を抱いていようと、公衆の面前でむやみに表にさらけ出さないのと同様だ」と指摘している。
個人情報に詳しい京都大学仏教学部の坂本義太夫教授(涅槃論)は「フィルターを使うことで無表情な絵文字が広告データとして意味をなさなくなるように、利用者本人もまた喜怒哀楽や物欲を捨て、無我の境地に達すれば、自ずとウェブ広告に商品は表示されなくなるだろう」と述べる。
そう諭すように語りかける教授の後ろのディスプレイには、楽天スーパーポイント還元セールのバナー広告が激しく点滅を繰り返していた。