Kyoko Shimbun 2025.11.18 News

ロダン「考える人」、何も考えていなかった 仏大学が分析 これは嘘ニュースです

空洞だった「考える人」の頭部(仏フィセル工科大提供)
 フランスの彫刻家ロダンのブロンズ像「考える人」は、実は何も考えていなかった――。こんな研究結果をフランスのフィセル工科大学の研究チームが発表した。像の脳波測定とX線解析から思考を示す所見は得られなかったという。誕生から100年以上深く思索し続ける像のテーマを根底から見直すきっかけになりそうだ。

 研究は仏科学誌「プソドシアンス」(電子版)に掲載された。チームは、パリに展示されている「考える人」像の頭部に脳電位計測装置をつけて脳波を測定。神経活動が検出されなかったことからX線で頭の内部を解析したところ、空洞になっていることがわかった。

 こうした結果から、チームでは「『考える人』は何も考えていなかった」と結論づけた。

 「考える人」の名称は、ロダンのの死後に改められたもので、発表当初の作品名は「詩人」。フランスでは「若者は考える人に学び、思索を正せ」という格言が定着するほど知られた存在だが、今回の研究は険しい表情や物思いにふける姿勢が、必ずしも実際の思索とは一致しないことを明らかにした格好だ。

 研究チームのフィセル工科大のコン・フィ教授は「四六時中一人で気難しそうな顔をした人ほど、実は大して何も考えていない。外見だけを見てその内面まで決めつける人間の愚かさを皮肉る意図があったのではないか」と推測する。

 フィ教授は、鑑賞者が今後「考える人」を誤って解釈しないよう、作品を展示する世界各地の美術館に向けて、科学的知見に基づいた名称変更を提案。「険しい顔つきで一見難しそうなことを考えているように見えるが、考えるふりをしているだけで、実は何も考えていない人」が、科学的に最も正確な作品名だとしている。

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