サンタに水かけ無病息災 山形で奇習「サンタ返し」 これは嘘ニュースです
昨年まで最上川に落とされていたサンタクロース
村の住民約30人が参加した。サンタ返しの起源は定かではないが、明治初頭、村に突然訪れたサンタクロースの風貌に恐怖を覚えた村人が、サンタを二度と寄せ付けないようにするため、県内で小正月に行われる伝統行事「アマハゲ」や、節分の豆まきと結びつけて考案したと言われている。
まだ夜も明けきらない午前3時、サンタクロースの衣装を身にまとった村の男性が「ホーホーホー」と独特の奇声を発しながら家々を訪れ、肩に掛けた大きな白袋を広げると「もらいに参ったーっ」と絶叫。「サンタクロースは子どもを誘拐するため、袋を持ち歩いている」と、当時誤って伝わったためとみられる。家の者は5キロほどの石を子どもと偽って袋に収め、サンタの難を逃れるのが習わしだ。
合計数十キロもの石が入った袋を抱えて村中を逃げ回るサンタは、最上川まで追い詰められ、氷水を四方八方から浴びると、弱々しく「ホーホー」と断末魔の声をあげて行事は締めくくられる。
この日の南庄内村の最低気温は氷点下5度。昨年まではサンタを最上川に落としていたが、行事の様子がインターネット動画で紹介されたところ、「残酷ではないか」という苦情が県外から1件寄せられたため、サンタの安全に配慮して今年から氷水に変更した。
サンタ返しに参加した雨野雪男さん(21)は「この時期特有のうわついたムードに惑わされないのも、子どもの頃からサンタ返しに親しんできたおかげ。来年も心身健やかに過ごしたいですね」と話す。雨野さんは今年のクリスマスイブの夜も、壁のしみに浮かんだ人の顔のようなものとおしゃべりして過ごす予定だという。