ブラックフーズ、民事再生法を申請 風評で破綻 これは嘘ニュースです
食品メーカーのブラックフーズ(東京)は19日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は8億円。業界屈指の優良企業として知られていたが、昨今のブラック企業批判の風評被害により業績が悪化していた。1980年設立の同社は黒豆、黒ゴマ、イカスミなど黒色に特化した食品の生産を手掛けてきた。また、1990年代のイタメシブームに乗ったイカスミパスタが大ヒットし、一時は業界第76位まで業績を伸ばした。
だが昨今、労働環境が劣悪な「ブラック企業」に対する批判が高まると、離職率が高い食品業界への偏見もあり、同社をブラック企業として誤解する事例が相次いだ。同社では「表面的に対応するのではなく、その本質を知ってもらいたい」との方針から、企業名を変えることは考えかったという。
ブラック企業批判の声が高まるなか、販売は低迷。主力商品「黒豆のイカスミ煮」の生産量を20倍に増やすなど業績改善に努めてきたが、大幅な債務超過に陥り、民事再生法の適用を申請した。
ブラックフーズは「ゼロ残業」「社員への利益還元」を社是として掲げるなど社員にやさしい優良企業としての顔も持ち、設立以来社員の定着率は100%。日本で初めてフレックスタイム制度を導入した企業としても知られている。だが「融通の利く」を意味するフレキシブルの意味を「だいたい8時間働けばよい」と誤解したため、社員の平均労働時間が6時間30分まで低下。その後も「社員が喜んだから」を理由に、融通を利かせすぎたフレックスタイム制度を採用し続けてきた。
企業経営に詳しい京都大学経済産業学部の坂本義太夫教授(リバーシ論)は「主力商品を白豆やホワイトソースにするなどしていれば巻き返しも図れたのではないか」と話す。