横幅実寸2m 新しい生活様式対応「ニューノーマルテレビ」 これは嘘ニュースです
新しい生活様式に対応したテレビ(下)
政府の専門家会議は4日、緊急事態宣言が解除された後も、今までとは違う行動を取るようまとめた「新しい生活様式」を提言。その一例として、人との間隔をできるだけ2メートル空ける、ソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)を呼びかけている。
放送各局は現在、感染予防の観点から、別室にいるタレントらをスタジオ内のモニターに映すリモート出演方式で対応しているが、今後は実際にスタジオに集まる場合でも、1人1人が2メートル以上距離を空けて立つことが想定される。そうした場合、セットが横に大きく広がることになり、現行のテレビ映像では出演者全員を映しにくい欠点があった。
ローセンスが試作したニューノーマルテレビは、横幅が2.1メートル。スタジオの出演者が社会的距離を取って横に広がっても、余裕をもって全体をくまなく映せるほか、実寸でも横幅2メートル以上を確保しているのが特徴だ。
テレビ本体だけでなく、内蔵するソフトウェアも新しい生活様式に対応。症状がなくても外出時にはマスクを着用するよう示していることに合わせて、同社が新たに開発した画像処理AIで出演者にCGのマスクを着用させる機能を搭載した。
NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」を使った技術デモでは、長良川の戦いに参戦する足軽や武将ら全員が白いマスクを身に着けた状態で違和感のない自然な合戦を繰り広げており、同社の技術力の高さをうかがわせた。マスクの色やサイズも変更でき、13万通り以上の組み合わせの中から好みのマスクを選ぶことができる。
一方、今回の試作機では「映す価値なし」機能の搭載は見送られた。タレント、文化人、政治家など著名人の評判をAIがビッグデータから解析して格付けし、「3流未満」と判断した不必要な人物を間引き処理することで、自動的に画面上の「密接」と「密集」を解消する機能だったが、ドラマ、バラエティ、報道、記者会見、国会中継などあらゆるジャンルで無人放送が続出。「テレビの自己否定につながる」として、研究開発の中断を決めたという。