Kyoko Shimbun 2019.10.14 News

投資信託も売れ筋 ネコ向けネット広告登場 これは嘘ニュースです

ウェブ広告はネコもターゲットの時代に
 ウェブサイト上に表示される広告に、人間ではなくネコをターゲットにした新しい広告が登場し始めている。人間向け広告よりクリックされやすく、なおかつ商品の購入にも結びつきやすいのだという。

 バナーの中を縦横無尽に走るネズミや、画面内を素早く飛び回るハエの動画。一見すると意味不明だが、どちらもネコの注意を引くために作られたネコ向け広告「キャット・ターゲッティング・アド(CTA)」だ。大手広告代理店の博電が、動物心理を研究する千葉電波大学農学部と共同で開発した。

 配信の狙いについて、博電の担当者は「人間向け広告の頭打ち」を理由に挙げる。ネット向け広告費は今年にも地上波テレビ向けを上回ることが確実視される一方、スクロールしても付きまとう広告、画面の半分以上を占める巨大な広告、指を置こうとしている場所に不意に現れる広告、消すための「×」ボタンが小さすぎる広告、日本語がおかしい広告、漫画の1コマだけを切り取って作品本来と全く違う印象をでっち上げる広告、動画の冒頭や途中に挟まれてスキップできない動画広告など、ネット向け広告のほとんどは利用者の不快感を煽るだけで、実際には負の宣伝効果にしかなっていないとの指摘もある。

 ネコに向けて配信するCTAは、素早く動くものを触りたくなるネコの習性を利用し、家庭で飼われているネコのタップやクリックを誘う。タブレット端末やタッチ機能を備えたパソコンからのクリックがとびぬけて高く、最大で人間向け広告の300倍クリックされたという。

 クリックされてもその後の商品購入に結びつかなければ広告効果は薄いが、リンク先に表示されるキャットフードなどネコ向け商品だけでなく、投資信託など高額な金融商品も売れ筋だという。

 博電の担当者は「ネコだけでなく、どんな商品でも『うちのネコが選んだのだから』と、財布のひもが緩みがちになる飼い主の習性も利用しています」と話す。

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<BOOK>吾輩は猫である

 中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。

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