Kyoko Shimbun 2018.05.07 News

「文字入力の革命」 ボタン1つのキーボード発表 これは嘘ニュースです

KEYを内蔵したノートパソコン
 ITベンチャーのJCN研究所は4日、ボタンひとつですべての文字が入力できるキーボード「KEY(キー)」を発表した。会場では「タイプライター以来の文字入力革命」をうたうキーを使った実演も行われた。

 直径約15センチのボタンが1つしかないシンプルな構造が特徴。圧力を1024段階で検出する内蔵センサーがボタンを叩く強さを感知し、その微妙な違いによってさまざまな文字や記号を出力する仕組みを備える。

 入力は圧力の弱い方からアルファベット順に配置してあり、最も弱い力で叩くと「A」が、さらに少しずつ力を加えていくにつれてB、C、D……と出力されていく。ピリオドや句読点などの記号はアルファベットの後に並んでいるため、文章を区切るためにはさらに強くボタンを叩く必要がある。最も弱いAだと軽く拳でタップする程度だが、最後の句点(。)を打つ場合は、屋根瓦3枚割る程度の力が必要になる。

 発表会でJCNのテルミン会長は、現在のキーボードについて「QWERTY配列はタイプライター時代の遺物で効率的とは言えない。毎年4月にさまざまな入力デバイスを発表しているグーグルでさえ、真面目に取り組んでいるとは思えない」と話し、「キーは日本語入力に革命的な転換をもたらす」と断言した。キーの入力エンジンを応用し、今後はiPhone(アイフォーン)のような圧力対応スマートフォンへの展開もにらむ。

 テルミン会長はキーを採用したノートパソコンを使った入力デモを自ら実演。「力の入れ加減さえ覚えれば、3歳の子供でも直感的に操作できる」と説明すると、IBMの一歩先を行くことを目指してアルファベットを1つずつずらして名付けた社名「JCN」を入力。キーのボタンをすばやく3回たたくと、スクリーンに「IBM」と大きく映し出され、会場からは失笑が漏れた。

 その後何度も入力を試みたが、結局最後まで「IBM」しか表示されないままプレゼンは幕を下ろした。居合わせた記者からは「空前の失敗作」と厳しい声も多く聞かれた。

 人気のなくなった会場でノートパソコンに向かい合う会長の背後のスクリーンには「。」が途切れることなく表示され続けていた。

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