「AIスピーカー、複数設置控えて」 サイドテック社、注意喚起 これは嘘ニュースです
省電力AIスピーカー「OCUTE(オキュート)」
音声認識機能と人工知能を搭載するAIスピーカーは、音楽を再生するだけでなく、天気などさまざまな情報を読み上げたり、ネットに接続したエアコンなどの家電を音声で制御したりすることができる。この分野では、グーグルの「グーグルホーム」や、アマゾンの「エコー」のほか、アップルも9日、米国などで「ホームポッド」を発売。近年、IT系企業がしのぎを削って開発を競う重点製品だ。
オキュートは乾電池1本で約6カ月使える省電力性能が最大の特徴。利用する時間帯や機能などをAIに学習させることで、使う頻度が少ない時間帯は「コールドスリープ状態」に入ってほとんど電力を使わず、また内部回路も使用状況に従って、神経細胞のように最適化されていく独自の仕組みを導入した。他社の製品に比べて、500分の1以下の電力で動作するという。
不具合の報告が寄せられたのは、1月下旬。キッチンとリビングに1台ずつ買った消費者から「急に動かなくなった」という相談があり、以降同様の問い合わせが複数寄せられた。
同社が確認したところ、オキュートを複数台設置した場合、「音楽を再生する」などのタスク(作業)を、オキュート同士が押し付け合う「たらい回し」状態に陥ってフリーズしていたことがわかった。「自ら実行するより、近くにある他のAIスピーカーに実行させた方が省電力になる」とAIが判断したためとみられる。
また、他社のAIスピーカーと併用した場合も、同じ理由で省電力を優先した結果、「OK、グーグル」「ヘイ、Siri」「アレクサ」などと呼びかけて、他のAIスピーカーに仕事を丸投げするだけで自分自身は何もせず、ほとんどの時間帯でコールドスリープ状態を維持し続けていた。
同社はHPで「省電力を徹底させたあまり、このような結果を招いてしまいました」と謝罪し、製品を他の端末と併用しないよう呼びかけた。
AIに省電力を学習させた結果、無能な上司のような振る舞いに陥ったことは今後のAI開発に波紋を広げそうだ。