毛のない波平像、3度目の正直は世界最硬度で これは嘘ニュースです
波平の抜け殻像(読売新聞から)
桜新町商店街がある東急田園都市線桜新町駅周辺は、作者の故長谷川町子さんが長年暮らしていた経緯もあり、「サザエさん通り」と呼ばれてきた。この名前にちなんで商店街では、今年3月、サザエさん一家の銅像を12体設置。観光客や地元住民の目を喜ばせていた。
だが5月7日、波平像の髪の毛がなくなっているのを地元住民が発見。商店組合長の坂口さんが、こんなこともあろうかとあらかじめ用意しておいたスペアの髪の毛をすぐに「植毛」したが、その後21日朝には再び抜き取られていた。頭部に残った痕跡から、いずれの場合も、ペンチのような道具で引き抜いたものとみられる。
2度にわたる心ないいたずらに業を煮やした坂口さんは、世界最硬度と言われる「NWS超硬合金」の生産で知られる、日本タングステン(福岡県)に、超硬合金製の髪の毛制作を依頼。組合予算100年分に相当する3億円を投入する。坂口さんは「あの1本こそが波平の本体であり魂。『絶対に折れない、引き抜かれない髪の毛』を、町の威信にかけても作り上げる。3度目はない」と並々ならぬ決意を見せた。
現在製作中の超硬合金製髪の毛は直径1ミリ、長さ8センチ。市販の工具で引き抜こうとすると、全て刃こぼれを起こす硬度を実現するほか、特殊な溶接技術で取り付けるため、仮にクレーン車など特殊な重機を用いて引き抜こうとしても、髪より先に波平の首が引きちぎれるほどの接着力があるという。
「NWS超硬合金」は、超硬合金の中でも最も固い硬度を持つとして知られるタングステンカーバイドの同類種。テレビ番組「ほこ×たて」(フジ系)で「どんなドリルでも絶対に穴の開かない金属」として紹介されたことから、一躍脚光を浴びた。