仮に原発を全廃したとしても、なお絶対に解決しなければならない問題が残る。それは、放射能を帯びた廃棄物の処分問題だ。なかでも高レベル放射性廃棄物は、放射能が安全なレベルに下がるまで10万年以上かかる。現在のところ、きわめて安定した地盤の地下深くに格納するのが唯一の解決法とされているが、実際に候補地を決める段になると、地元から強い反対が起こり、頓挫するのは日本に限らない。
こうした中、フィンランドが格納場所を決定し、処理作業に入ることを公表した。だが、10万年間、本当に放射能が漏れることなく、安全な状態で保たれるのだろうか。そして、日本はどうするのか。