Kyoko Shimbun 2024.02.02 News

絶滅したテッポウクジラの化石発見 南洋諸島・ヤオハチ島 これは嘘ニュースです

海鳥を狙うテッポウクジラ(想像図)
 南洋諸島のヤオハチ島で3万年前のテッポウクジラの骨格化石が見つかった。千葉電波大学と米プロンストン大学の合同研究チームが1日、発表した。テッポウクジラは、口から水鉄砲のように勢いよく吹き出した海水で打ち落とした上空の海鳥を餌にしていたと考えられており、未知の部分が多いテッポウウオの生態を知る手がかりになる可能性があるという。

 全長は推定20メートル程度。口から海水を射出するため、現代のクジラよりあごの骨が発達しているのが特徴だという。

 テッポウクジラの生態について、研究チームの豚田薫千葉電波大教授は「あごの構造を見ても、噴き出す水の命中率は決して高いとは言えない。なぜ普通のクジラのように目の前にある海中の魚を飲み込まず、あえて効率が悪い捕食方法を選んだのか分からない」と首を傾げる。

 テッポウクジラは化石の分布から、太平洋に広く生息していることがわかっているが、約2万年前に急激に個体数を減らし、絶滅。人間が生活していた集落跡で骨が多く見つかったことから、乱獲を原因とみる説が有力だ。「海鳥を主食にしたことが乱獲を招いたのではないか」と、豚田教授は推測する。「普通のクジラを食べ飽きた人類にとって、テッポウクジラの肉は『味変』の要素が強かったと考えられる。味を理由に食べ尽くされて滅びたマンモスやドードーと同じパターンだろう」。

 テッポウクジラのように水を射出して捕食をする魚としては、テッポウウオが広く知られているが、テッポウクジラとの間に類縁関係はない。また、テッポウウオがこのような方法で獲物を捕まえる理由についても、今のところ解明されていない。

 豚田教授は「絶滅を悟ったテッポウクジラが、種の壁を超えてテッポウウオに水の吹き出し方を伝えたのではないか。テッポウウオが射出力を研ぎ澄まし、いつの日か人類を絶滅させるほどの攻撃力を得ることを願って技を託したのかもしれない」と話す。

 遠い将来、人類がテッポウウオの影におびえて暮らす日が来るかもしれない。かつて人類がテッポウクジラにそうしたように。

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