「札束ビンタ」に若者ポカン キャッシュレス化で「QRビンタ」に これは嘘ニュースです

札束シーンには注意テロップが追加された
札束ビンタは、権力者や富裕層が分厚い札束で相手の頬を叩く行為。経済的優位を誇示する演出として、昭和〜平成期のテレビドラマでは広く用いられてきた。
しかし、コロナ禍をきっかけにキャッシュレス決済が本格的に普及。現金を使う機会が遠ざかるにつれ、このような演出が若い世代に通じなくなってきたという。
1980年代の人気ドラマを紹介した民放局のバラエティ番組では、主役の俳優が札束で頬を軽くはたかれるシーンに対して、視聴者から「紙の束が触れたくらいでなぜあれほど屈辱的な表情になるのか」など複数の問い合わせが寄せられた。
同局では、見逃し配信の際に急きょ「※番組放送時は物理通貨が使われていました。」というテロップを追加。今後、現金を使った演出シーンを再放送する際は同様の対応をとるという。
現金の存在感が薄れゆく中、テレビでは「一万円札であふれた浴槽に入る」「靴を探すために紙幣を燃やして手元を明るくする」など、時代遅れの演出が多く残る。トレンディドラマを数多く手がけた脚本家の小嶋欣司さんは「時代の変化だけでなく、象徴的な表現を理解できない視聴者が増えた」と頭を悩ませる。
会員からの要請を受けた振興会は先月、現金演出に関するガイドラインを作成。札束ビンタの代替案として「高額送金用のQRコードが表示されたスマホビンタ」や「マネーフォワードの資産総額が表示されたスマホビンタ」を例示した。
キャッシュレス化の波を意識した番組に取り組む動きも出ている。4月放送の政治ドラマ「GEL」では、若手議員との会食シーンで「土産代わりに現金10万円の入った茶封筒をそっと差し出す」という台本初稿の演出を、「10万ペイペイポイントを議員のスマホに送金する」に差し替えた。視聴率は同時間帯首位の12.6%を記録。料亭内に「ペイペイ!」という決済音が何度も響き渡る演出が若い視聴者の心をつかんだようだ。
「紙幣」も「諭吉」も通じない令和。現金は静かにその役目を終えつつある。
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<BOOK>現金の呪い――紙幣をいつ廃止するか?
ロゴフ教授は「キャッシュレス」社会ではなく、「レスキャッシュ」、つまり現金の少ない社会への移行を説く。ビットコインなどの暗号通貨への移行を想定しているかといえばそうではない。現行の高額紙幣の廃止による「レスキャッシュ」社会こそ、あまたある経済社会の問題を解消するカギとなる、という。もちろん、ゼロ金利制約をもたらす現金の壁を取り払い、マイナス金利を大胆に実施できることも大きなプラスとみる。社主ピックアップ

