引退宣言のインフルさん、1年ぶり「再起動」発表 これは嘘ニュースです
昨年から猛威を振るう新型コロナウイルス
厚生労働省の資料によると、20年のインフルエンザ患者報告件数は約56万3千件。総数としては19年の3分の1程度だが、そのほとんどが新型コロナウイルスの感染報告がほとんどなかった年始に稼ぎ出した数で、新型コロナウイルスが猛威を奮いだした春以降は、例年の数百分の1まで活動量を激減させていた。
各種メディアは、突如現れた超大型新人の台頭を競って報道。「インフルの時代は終わった」という声が日増しに強まる中、昨年末にひっそりと行われたインフルさんの引退会見を報じるメディアはほとんどなかった。
インフルさん引退後の今年、新型コロナウイルスの感染報告件数は、何度も流行の波を起こしながら、既に150万件に迫る勢いを見せている。これはインフルさんが引退前に稼ぎ出していた数値とほぼ同水準だ。
しかし、飛ぶ鳥を落とす勢いだった新型コロナウイルスも、ワクチン接種が全世代で進むなどした結果、9月に入って感染者数が全国で激減。また、抗体量の減少に伴う3度目のワクチン接種も始まろうとしており、世間からは「これならインフルエンザの方がまし」といった声も出始めていた。
「インフル待望論」が囁かれる中、インフルさんは24日にコメントを発表。自己都合による引退撤回を謝罪するとともに、「今しばらく感染をやらせてください。働かせてください」と訴えかけ、気力の回復をアピールした。
今年のインフルエンザ感染者数はまだ100人を超えた週がなく、閑古鳥の鳴く厳しい状態が依然として続く。しかし、インフルさんを取り巻く世間のムードは意外にも寛大だ。新型コロナウイルスの感染者数が激減したことで、自粛や規制解除が広がり、これまで厳しく行われてきた、手洗い・消毒、マスク着用の徹底など、感染予防への油断が生まれている。
「世間の歓迎ムードをひしひしと感じますね」と、再起を図るインフルさんは頬を緩ませる。昨年の活動不振により、今年はインフルエンザワクチンの供給量も減っている。日々強まる今冬の北風は、インフルさんにとって大きな追い風となりそうだ。