Kyoko Shimbun 2022.08.26 News

サイケ模様の「ヒッピーゼミ」見つかる 50年以上生存か これは嘘ニュースです

千葉県内の雑木林で見つかったヒッピーゼミ
 羽や胴が鮮やかな蛍光色をしたサイケデリック模様の珍しいアブラゼミが、千葉県内の雑木林で見つかった。その模様から少なくとも50年以上生きているとみられ、これまで短命だと考えられてきたセミの生態に見直しを迫る発見になりそうだ。

 セミは今年7月、雑木林の中をふらふらと飛んでいるところを地元の小学生が捕まえた。これまで見たことがない珍しい模様だったことから、セミの生態を研究する千葉電波大学の鹿田教授に持ち込んだところ、アブラゼミの変種と判明。論文は同大の学術誌「SEMI」準最終号に掲載された。

 アブラゼミは敵から身を守るため、羽化直後、体表を時代に溶け込ませる性質がある。1990年代後半には体表を真っ黒に染めたガングロゼミやヤマンバゼミが目撃されていたがいずれも絶滅。蛍光色を多用したサイケデリックカラーは1960年代に「ヒッピー」と呼ばれる若者の間で流行した。今回見つかったセミは、60年代に羽化して今も主義を貫き続けるヒッピーゼミとみられる。

 セミの生涯に関する研究は、地中での生活が長いことや、羽化後の個体の見分けがつかないことが大きな壁として立ちふさがっていた。だが、ヒッピーゼミの確認によって、これまで長くて1カ月程度と考えられていた羽化後の寿命が50年以上続いている可能性が示された。

 鹿田教授は「セミの生態に見直しを迫る大きな発見だ。若い頃の一時期、流行に感化されて奇抜な模様にかぶれることはよくあるが、ほとんどのアブラゼミは年を重ねるにつれ、模様を捨てて普通のセミに戻ってしまうため、その生態には不明な点が多かった」と話す。

 「『セミの寿命は短い』という実態から離れた見方が生まれたのも、社会に溶け込みすぎて個性を失い、木につかまって鳴くだけの単調な生活を繰り返したせいではないか」

 捕獲されたヒッピーゼミは、調査後見つかった雑木林に再び放されたという。

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