倍速行動で人生240年に 「倍速人生検討委員会」が初会合 これは嘘ニュースです
「人生240年時代」に向けた生活加速化案
「倍速人生」は、「単位時間当たりの行動速度が2倍になれば、時間の流れ方は2分の1になる」という考え方で、物理学者アインシュタインが提唱した。人間の寿命は120歳程度が限界だが、2倍速で行動すれば240年生きたことになり、相対的に寿命が延びたと言える。
近年、若い世代を中心に、テレビ番組を2倍速で見る「倍速視聴」や、メッセージングアプリで「了解」を「りょ」と縮めるなど、高速・効率化による処理速度向上を追求する動きが広がっている。厚労省では「行動を加速して長生きしたいという意識が高まっている」と見ており、高速行動による「人生240年時代」に向けた下地作りを目指す。
検討委の初会合では、生活の中で時間を浪費する「効率の悪い行動」について対策を検討。(1)法改正と整備(2)人間の処理速度向上の2点について、各委員が具体案を提案した。
(1)については、各種法令で定める交通機関の制限速度撤廃が議題に上がった。人やモノの往来を加速させるため、全ての道路で速度制限を廃止するほか、山手線などの在来線も原則時速300キロ以上での運行を義務付ける。また、個人の移動についても、時速10キロ未満の徒歩を禁止して罰則を設ける。
その他の分野では、倍速視聴を促すため、放送各局に対し番組を2倍速以上で放送するよう義務付ける。企業に対しては、社員に業務を2倍速でこなすことを課す代わりに標準労働時間を1日4時間に短縮する。
(2)については、委員から教育改革に関する提案が相次いだ。国語では「漢字の習得が非効率だ」「かな文字も日本でしか通用しないガラパゴス文字だ」との指摘が多く、アルファベットを用いたローマ字分かち書きに一本化。「日本語を廃止して、英語を公用語にすれば授業時間を半減できる」という意見も出た。漢字廃止論・ローマ字論は明治時代から幾度も検討されてきたが、人生効率化の観点からその利点が改めて見直された格好だ。読書速度を上げるため、一度に3行ずつまとめて読む速読法の習得も義務化する。
数学の分野ではプログラミングと親和性の高い十六進数を採用する案が浮上。十六進数を使えば、2022年も「7E6年」と簡略化できる。三角比は引き続き教える。
処理速度の向上に伴って習得速度も上がるため、教育制度も抜本的に見直す。小学校入学を5歳、大学卒業を12歳とする「三・二・一・二制」に改め、早期の社会進出を促す。成人年齢も18歳から9歳まで引き下げる。
一連の提案について、一部の委員から「効率化・高速化の負荷によるストレスから、生物としての寿命が縮まる恐れがある」と懸念の声が上がったが、別の委員が「仮に寿命が20年縮まって65歳になったとしても、相対的には130歳まで生きたと言える」「時代に着いていけない『型落ち人間』は見捨てるべきだ」と、強く反論したことで委員会は紛糾。7時間にわたって続いた議論は「この会合そのものが人生の無駄だ」という結論をまとめて閉会した。次回開催は未定。