メタバース用「メタファクス」、仮想オフィスで人気 クインジム開発 これは嘘ニュースです
クインジムの仮想ファクス「メタファクス」(写真左)
メタバースは、ネット上にある仮想空間の総称だが、ゴーグル型の仮想現実(VR)端末を装着する没入型空間を指す場合が多い。平面的なディスプレイを通した従来の体験とは異なり、より現実に近い体験ができるのが特徴だ。
コロナ禍で在宅勤務が増えたことをきっかけに、メタバース内に仮想オフィスを設ける企業がここ数年で大きく増加した。仮想オフィス内では、アバター(分身)を使って、職場と同じ感覚で会議を開いたり、他の社員に話しかけたりできるが、急激な仮想化に戸惑いを見せる人も多い。
「仮想オフィスに安心感を与えるには、現実の職場環境を正確に再現する必要がある」と考えた同社は、仮想オフィス内にファクスが存在しないことを発見。この発見がメタファクス開発につながった。
メタファクスは、現在国内で使われる本物のファクスをメタバース上に忠実に再現。また、本物と同じように紙やインクが切れるため、専用の仮想用紙「メタペーパー」、仮想インク「メタトナー」を別途購入・交換する必要がある。書類を紙からデジタルに置き換えるペーパーレス化にも「紙そのものの仮想化」という逆転の発想で対応させた。
広報担当者によると、メタファクスを導入した企業の従業員からは「ずっと何か足りないと思っていたけど、まさかファクスだったとは」「そこにあるだけで頼もしい文鎮のような存在」など、感謝の声が次々と届いているという。同社では、昨年発売したメタバース用仮想印鑑「メタ印鑑」を超えるヒット商品になるのではないかと期待を寄せる。
世界を驚かせた日本のファクス文化は、メタバース時代もクマムシのように長く命脈を保ちそうだ。