Kyoko Shimbun 2019.07.04 News

ナローバンド導入で作業効率劇的改善 不渡商事、「奇策」が奏功 これは嘘ニュースです

ダイヤルアップ接続
 インターネット回線を現行速度の100分の1以下を下回るダイヤルアップ接続に変えたところ、作業効率が大幅に改善し、残業がなくなった――。中堅商社の不渡商事が昨年から進めてきた「奇策」が思わぬ成果を出した。AI(人工知能)などを活用した経営効率化を推し進める昨今の風潮に一石を投じそうだ。

 不渡商事では、業務効率を高めるため、10年ほど前から、高速回線を使ったテレビ会議や、従業員へのタブレット端末支給など、積極的なIT化を進めてきた。しかし、社員の総残業時間を5年間で20%減らす目標は達成できず、実際にはほぼ横ばい。IT化は実を結ばなかった。

 IT関係費がコストに見合わないと判断した同社では、18年から関連費の大幅カットを決定。従業員に支給したタブレット端末を回収して売却、メールしかできない携帯電話を代わりに支給するとともに、私物のスマートフォンの持ち込みを禁止した。また、インターネットの光回線契約も解約し、低速度のダイヤルアップ接続に戻した。

 徹底的な脱IT化という「奇策」へと舵を切った結果、この1年間の総残業時間は平均で98%減、ほとんどの部署で残業時間ゼロを達成した。社内で聞き取り調査を行ったところ、ナローバンド導入後、ほとんどの従業員が「ネットが重くなったせいで、できることが減った」と回答。一方で「不便になったのに、なぜ残業が減ったのか分からない」と困惑する声もあった。

 調査にあたった人事課では、IT化が失敗した原因として(1)タブレット端末に配信した書類と同じものを慣例的に紙に印刷していたこと(2)テレビ会議を導入しても、会議の時間そのものが短縮されなかったこと(3)高速通信の大多数がSNSの閲覧や投稿、動画閲覧など無駄なアクセスだったこと、の3点を挙げた。「ナローバンドにしたことで、時間の無駄が減り、業務の効率化が進んだとみられる」と結論付けている。

 同社の男性従業員(24)は「巡回できるサイトが『阿部寛のホームページ』くらいしか残っていないので、今は出社しても無心で働くことしかできません」と話す。

新しいアプリで記事を読む

App Storeからダウンロード Google Playからダウンロード

虚構新聞友の会

本紙友の会へ入会すると、会員専用掲示板に書き込みができます。

おすすめリンク

<BOOK>日本科学技術大学教授上田次郎のどんと来い、超常現象

 TVドラマ「トリック」でおなじみ上田次郎教授が、今まで解決した事件を詳細に分析(自身の自慢話に終始しているという説もあるが)。上田教授の生い立ちや教授になるまでの道のり、「トリック劇場版」の情報も。山田奈緒子ら関係者の証言集付き。

社主ピックアップ

経済

人気記事ランキング

今月の一冊

「今月の一冊」バックナンバー

虚構新聞社のRSS/SNS

虚構新聞のウェブサービス

虚構新聞社の本

注目コンテンツ