Kyoko Shimbun 2004.10.02 News

「カラーバー」特許に10億ドル支払い命令 アメリカ これは嘘ニュースです

フランス版カラーバー(カラーバーチャンネル提供)
 テレビの色彩調整や深夜の試験電波として広く知られる「カラーバー」の発明者の孫に当たる人物が、カラーバーの意匠使用料を米国内各メディアに求めていた裁判で、連邦最高裁は20日、発明者側に対して約10億ドル(1090億円)の支払いを命じる判決を下した。いわゆる「サブマリン特許」としては過去最高額。

 この「カラーバー」の意匠は「テレビ映像の父」としても知られるジョン・トーマス卿(英・1848~1905)が1901年に英国特許庁に意匠登録していた。トーマス卿の死後、身辺整理をしていた遺族がこの事実を発見。カラーテレビの普及が大きく伸びた1970年、トーマス卿の孫に当たるジョン・トーマス・ジュニア・ジュニア氏が特許案件の公開されないアメリカの特許制度を利用し、意匠登録を行った。

 トーマス・ジュニア・ジュニア氏は、昨年まで特許の成立を遅らせ続けてきたが、国内のケーブルテレビ・衛星放送の普及が飽和に達したと見て、今年CNNなど3大ネットワークを含む国内計433の放送局に対して、意匠権侵害として約300億ドル(3兆2700億円)の意匠使用料を求める訴訟を起こした。

 連邦最高裁は「カラーバーなくしてテレビなし」と、トーマス・ジュニア・ジュニア氏側の訴えを一部認め、約10億ドル(1090億円)の支払いを命じる判決を下した。ただし、カラーバーの色配置を間違えて放送していた28局に対する支払要求は却下された。

 このように、長期間特許を伏せたまま、技術普及の進展を見て、特許を成立させる手法は「サブマリン特許」と呼ばれ、国際問題にもなっているが、特許案件の公開されている日本ではカラーバーの放送に支障はなく、今後も放送は続けられる予定。

▽24時間カラーバー専門チャンネル「カラーバーチャンネル」広報担当者の話
 弊社の存亡に関わる案件だけに注目していたが、今回の判決の結果、視聴者から人気の高かったアメリカからの衛星カラーバー放送を中断せざるを得なくなったことは大変残念だ。今後はアメリカ版からカナダ版カラーバーに差し替えて放送する方向で検討している。

【用語解説】:「サブマリン特許」
 出願後に長期間審査され、対象となる技術が世の中で広く使われるようになってから突如として成立する特許。出願中の特許案件を公開する制度がないアメリカの特許制度を悪用したもので、国際的に問題となった。出願者は出願した技術を利用した製品が広く普及するのを待ったあと、権利侵害を訴えて莫大なロイヤリティを要求する。

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